...蓬莱山はいずくにかある玉川子この清風に乗じて帰りなんと欲す...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...蓬莱亭へ足繁く通うようになった...
豊島与志雄 「反抗」
...西峠の北は赤瀬の大和富士(やまとふじ)まで蓬々(ぼうぼう)たる野原で...
中里介山 「大菩薩峠」
...湖畔の崕には芝蓬が生えて其傍を過ぎる時はまだ濡れて居る四五本の芒の穗がゆるかに搖れて恐ろしい磐梯山の面を撫でるやうに見える...
長塚節 「鉛筆日抄」
...其間も箒川の蓬莱橋が落ちたのを始めとして洪水の趾は歴々として存してある...
長塚節 「痍のあと」
...蓬(よもぎ)の匂いがするよ」というと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...膽汁(たんじふ)と苦蓬(にがよもぎ)(怨恨毒意)を...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...今年は雜草ばかりが蓬々と伸び放題に伸びてゐて...
堀辰雄 「牧歌」
...一面に狐色の枯草が蓬々と蔓つてゐるばかりの田甫に出ると見渡す限り一点の動くものゝ影だに認められなかつたが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...蓬は元来我が日本には絶対にない草であるから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...生絹(すずし)は泥くさい田舎(いなか)女になり果て和歌の才能すら難波の蓬生(よもぎう)のあいだに埋(うも)れてしまわねばならない...
室生犀星 「荻吹く歌」
...草のハナといふのが蓬即ち餅草のことである...
柳田國男 「食料名彙」
...普通には穴の口に近よって人が立聴きするとも知らず蓬(よもぎ)と菖蒲(しょうぶ)の葉の秘密を漏した話などになっており...
柳田国男 「山の人生」
...即ち蓬莱曲の作者北村透谷君也...
山路愛山 「北村透谷君」
...蓬々(ぼうぼう)と生(は)やした原始人そのままの丸裸体(まるはだか)で...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...線路の横に茂り合った蓬(よもぎ)の葉を染めている...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...宿はやはり蓬莱館に泊る事にした...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...頭髪(かみのけ)と鬚を蓬々(ぼうぼう)とさして凹(くぼ)んだ瞳(め)をギラギラと輝やかしながら眼の前の暗(やみ)の中に浮き出した...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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