...蓊鬱(おううつ)とした松の間に三層(さんぞう)の白壁(しらかべ)を畳みながら...
芥川龍之介 「疑惑」
...行手に方つて蓊乎(こんもり)として木立が見え...
石川啄木 「札幌」
...寺を囲んで蓊欝(こんもり)とした杉の木立の上には...
石川啄木 「鳥影」
...到(いた)る處(ところ)に蓊鬱(おううつ)として居(ゐ)る...
伊東忠太 「妖怪研究」
...西に斗満の蓊鬱たるを望み...
関寛 「関牧塲創業記事」
...滴(したた)らんばかりの緑の林が蓊鬱(こんもり)と縁どって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...溪樹の蓊鬱(おうゝつ)として其上に生ひ茂れる...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...その上に又緑の木々が蓊鬱として繁茂し...
近松秋江 「湖光島影」
...あの蓊鬱(こんもり)した森のなかにある白壁の幾棟(いくむね)かの母屋(おもや)や土蔵も目に浮かんだりして...
徳田秋声 「縮図」
...その香馥郁(ふくいく)としてその色蓊鬱(おううつ)たり...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...ことに有名な紀三井寺(きみいでら)を蓊欝(こんもり)した木立(こだち)の中に遠く望む事ができた...
夏目漱石 「行人」
...ともかくも蓊欝(こんもり)として...
夏目漱石 「坑夫」
...その尽くるところに檜(ひのき)が蓊然(こんもり)と五六本併(なら)んでいる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...森の殆ど出端(ではずれ)の蓊鬱(こんもり)と生茂(はえしげ)った山査子(さんざし)の中に...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...すでに神林の蓊鬱(おううつ)たるなきゆえ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...『文芸』十月号に島崎蓊助が「父上様」という感想を書いている...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...偶然藤村氏の息子として生れ事毎に父との連関で観られなければならない一青年蓊助の語りつくされない錯綜した激しい感情をよみとった...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...正しく息子蓊助一人のみならず...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
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