...行手に方つて蓊乎(こんもり)として木立が見え...
石川啄木 「札幌」
...主人大木蓊(おおきしげる)は体格のよい四十以上の男で...
伊藤左千夫 「廃める」
...到(いた)る處(ところ)に蓊鬱(おううつ)として居(ゐ)る...
伊東忠太 「妖怪研究」
...街灯の影も疎らに蓊鬱(おううつ)たる植込みを通して...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...蓊鬱(おううつ)たる林間には雪を被った高山が雲を纏(まと)うて聳(そび)え立ち...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...蓊鬱(こんもり)とした杉の木ばかり...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...滴(したた)らんばかりの緑の林が蓊鬱(こんもり)と縁どって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...一際蓊鬱(こんもり)した木陰...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...杉樹(さんじゆ)の蓊欝(おうゝつ)と繁茂せるところ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...老杉蓊鬱(おううつ)たる尾峰の彼方に琵琶湖の水が古鏡の表の如く...
近松秋江 「湖光島影」
...その上に又緑の木々が蓊鬱として繁茂し...
近松秋江 「湖光島影」
...ともかくも蓊欝(こんもり)として...
夏目漱石 「坑夫」
...やがて若葉に鎖(と)ざされたように蓊欝(こんもり)した小高い一構(ひとかま)えの下に細い路(みち)が開(ひら)けた...
夏目漱石 「こころ」
...その土手の上には蓊欝(こんもり)した竹藪(たけやぶ)が一面に生(お)い被(かぶ)さっていた...
夏目漱石 「明暗」
...その節集古会員上松蓊君も同行したから彼女の尤物(ゆうぶつ)たる事は同君が保証する...
南方熊楠 「十二支考」
...偶然藤村氏の息子として生れ事毎に父との連関で観られなければならない一青年蓊助の語りつくされない錯綜した激しい感情をよみとった...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...蓊助君は、漫画修行による人生観察の過程で、旧套の重荷に反撥して自らを破ることが、新世代にのしかかる圧力を克服することではないことを、既に学んでいるであろう...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...正しく息子蓊助一人のみならず...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
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