...併しながら近代の日本人及び古(いにし)への希伯来(ギリシア)人の如き不屈なる国民中にあつて吾人は蓄妾が律法と習慣とによりて定められたる制度なることを発見する...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...尤もその頃は武家ですらが蓄妾を許され...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...江戸時代の買妓(ばいぎ)や蓄妾は必ずしも淫蕩(いんとう)でなくて...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...蓄妾もまた、勝誇(かちほこ)った田舎侍が分捕物(ぶんどりもの)の一つとして扱ったから、昔の江戸の武家のお部屋(へや)や町家の囲女(かこいめ)の情緒はまるで失(な)くなって、丁度今の殖民地の「湾妻」や「満妻」を持つような気分になってしまった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...しかし蓄妾の久しく行われて来た余弊(よへい)を受けて...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...内密でなお外に蓄妾する...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...彼らの間には、ある限度を超えない蓄妾制度、一夫多妻制度、一婦多夫制度が、厳として一定しているが、われ/\の社会にいたっては、言語に絶した淫蕩や、蓄妾や、多妻多夫が、なんらの制限もなく存在して、それが一夫一婦主義の空しい仮面の下に隠れているのである...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...蓄妾(ちくしよう)の攻撃をするんだと考へてゐる...
夏目漱石 「それから」
...蓄妾(ちくしょう)の攻撃をするんだと考えている...
夏目漱石 「それから」
...蓄妾の悪事たるを口に言わずして却て之を夫に勧めしむるの深意ならんと邪推せざるを得ず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...蓄妾淫奔(ちくしょういんぽん)・遊冶放蕩(ゆうやほうとう)...
福沢諭吉 「教育の事」
...わづかな蓄妾費の捻出にさへも事欠く状態らしかつた...
牧野信一 「熱海線私語」
...子を産まぬのが匹偶の蓄妾の口実にされたのだから...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...しかしながら蓄妾は一般に行われており...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
便利!手書き漢字入力検索