...富坂下(とみざかした)の菎蒻閻魔(こんにゃくえんま)の近所に住んでいたとかいう瞽女(ごぜ)である...
永井荷風 「伝通院」
...小石川富坂(こいしかわとみざか)の源覚寺(げんかくじ)にあるお閻魔様(えんまさま)には蒟蒻(こんにゃく)をあげ...
永井荷風 「日和下駄」
...後に至らば天明時代の蒟蒻本(こんにゃくぼん)とも相並びて風俗研究家の好資料ともなるべきにと...
永井荷風 「葡萄棚」
...昼夜(ちゅうや)絶(たゆ)る間(ひま)なく蒟蒻(こんにゃく)にて腹をあたためよ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...このもの医師の命ぜし如く早速蒟蒻あたためて持来(もちきた)りしかばそれをば下腹におし当てて再びうとうとと眠りき...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...そこから蒟蒻(こんにゃく)や油揚や芋の煮しめの経木皮包(きょうぎがわづつみ)を拡げ...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中里介山 「大菩薩峠」
...私(わたくし)は外套(がいとう)を濡(ぬ)らして例の通り蒟蒻閻魔(こんにゃくえんま)を抜けて細い坂路(さかみち)を上(あが)って宅(うち)へ帰りました...
夏目漱石 「こころ」
...迷亭が金魚麩ならあれは藁(わら)で括(くく)った蒟蒻(こんにゃく)だね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...もし善意をもって蒟蒻(こんにゃく)問答的(もんどうてき)に解釈してやれば主人は見性自覚(けんしょうじかく)の方便(ほうべん)としてかように鏡を相手にいろいろな仕草(しぐさ)を演じているのかも知れない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...問屋の菎蒻(こんにやく)ぢやあるめいし...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...ひずるの噛(か)み工合(ぐあい)などはまるで蒟蒻(こんにゃく)のようであった...
林芙美子 「魚の序文」
...私は明けても暮れても体内は蒟蒻のやうなのに...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...英国などの森や生垣の下に生える毒草アルム・マクラツムはわが邦の蒟蒻(こんにゃく)や菖蒲とともに天南星科の物だ...
南方熊楠 「十二支考」
...それから人参(にんじん)を糸切りにして糸蒟蒻(いとごんにゃく)と前の牛蒡と三品を一旦湯煮(ゆで)ておいてそれへ椎茸を加えて鰹節(かつぶし)の煮汁(だし)と味淋と醤油とで美味(おい)しく煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...その中から出た汁で牛蒡人参糸蒟蒻椎茸(しいたけ)竹の子簾麩(すだれぶ)なんぞの野菜を極く細かに刻んでよく煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...その頃の蒟蒻は一個二厘...
夢野久作 「近世快人伝」
...蒟蒻島(こんにゃくじま)で知人(しりびと)が...
吉川英治 「死んだ千鳥」
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