...浴室が猛烈に蒸し暑いことであつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...九月になったばかりのこんな蒸し暑い晩だのに...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...・かさなつて山のたかさの空ふかく霧島に見とれてゐれば赤とんぼ朝の山のしづかにも霧のよそほひチヨツピリと駄菓子ならべて鳳仙花旅はさみしい新聞の匂ひかいでも山家明けてくる大粒の雨重荷おもかろ濃き影ひいて人も馬も朝焼け蜘蛛のいとなみのいそがしさ・泣きわめく児に銭を握らし蒸し暑い日の盗人つかまへられてしまつたこんなにたくさん子を生んではだか死にそこなつて虫を聴いてゐる九月廿一日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...何となく蒸し暑い朝であつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...風のない蒸し暑いある日の夕方私はいちばん末の女の子をつれて鋏(はさみ)を買いに出かけた...
寺田寅彦 「芝刈り」
...蒸し暑い、蚊の多い、そしてどことなく魚臭い夕靄(ゆうもや)の上を眠いような月が照らしていた...
寺田寅彦 「田園雑感」
...蒸し暑いと見えて広くはげ上がった額から玉のような汗の流れるのをハンケチで押しぬぐい押しぬぐい話をした...
寺田寅彦 「B教授の死」
...どうかすると蒸し暑いくらいで...
徳田秋声 「黴」
...肌でもぬぎたいほど蒸し暑い日だったので...
徳田秋声 「挿話」
...いやに蒸し暑い晩の...
豊島与志雄 「電車停留場」
...蒸し暑い乾いた大気は呑み込んで...
豊島与志雄 「土地」
...余り蒸し暑いので...
豊島与志雄 「二等車に乗る男」
...恐ろしく蒸し暑い日で法要終了後帰源院で歌を作つたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...蒸し暑い夜だったのでゆっくり歩いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...蒸し暑い外気に銀梅花(ギンバイカ)が匂い...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...蒸し暑い...
横光利一 「欧洲紀行」
...群をなして山に登つた蒸し暑い日の事で...
吉江喬松 「山岳美觀」
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