...疊敷のところには汚い垢じみた寢蒲團が何枚かつまれてあるのを見た...
田畑修一郎 「南方」
...綿のはみ出た蒲團の下で何か動いて...
田畑修一郎 「南方」
...ただ何となく軒端に菖蒲を葺いた郷国の古俗を想い浮べて...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...お茶の運び工合から蒲団の直しよう...
徳田秋声 「足迹」
...今や蒲団(ふとん)の中に仰向けになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...何の仔細はない」なんにしても早く夜が明けろ――主膳は蒲団(ふとん)の中で...
中里介山 「大菩薩峠」
...同じ日のそれよりさき、お角さんは、忌々(いまいま)しがりながら、蒲焼の宿から、お銀様の宿としていた本町の近江屋へ引移って来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...軟かい蒲団の上を歩くように...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...煎餅蒲団(せんべいぶとん)の上へ北枕に寝かし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの人は鍋(なべ)も庖丁(ほうちょう)も敷蒲団も置いて行ってしまった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...入室することが定ると、収容病室から舎へ移つた時のやうに、同室の人達が、蒲団、食器その他をもつて、入室者を中央に挾み、或はリヤカーに乗せて送つて行く...
北條民雄 「癩院記録」
...蒲鉾というと魚の身で拵えたようだがこの蒲鉾は魚三分(ぶ)に芋(いも)七分...
村井弦斎 「食道楽」
...越後の東蒲原郡などでそういったのは...
柳田國男 「食料名彙」
...着替えとか蒲団くらいはあるんだろうときくと...
山本周五郎 「季節のない街」
...たたんだ蒲団のあいだに丸薪を三本...
山本周五郎 「さぶ」
...玉子焼や重ね蒲鉾の喰い残しのような立派なものが山を築(つ)くほど棄てて御座います...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...蒲団が薄かったので鼻風邪を引かれたのです...
夢野久作 「継子」
...紅殻染(べんがらぞめ)の小蒲団(こぶとん)をかけさせた...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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