...春潮(しゅんちょう)といへば必ず門司(もじ)を思ふ昭和五年三月ふるひ居(お)る小さき蜘蛛(くも)や立葵(たちあおい)昭和五年六月二十七日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...生垣へだてたる立葵(たちあおい)の二株...
太宰治 「二十世紀旗手」
...立ち葵(あおい)や朝顔などが小さな二葉のうちに捜し出されて抜かれるのにこの三種のものだけは...
寺田寅彦 「路傍の草」
...沖縄でも屍体を蒲葵(くば)の縄で縛り埋めたが...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...「向日葵(ひまわり)に眼を与えよ」という言葉を知らなければ...
野村胡堂 「向日葵の眼」
...葵のそばへ並んで坐りながら...
久生十蘭 「金狼」
...葵は久我の真実と...
久生十蘭 「金狼」
...葵と偽名しているこの娘が...
久生十蘭 「金狼」
...この隣りが葵たちの部屋になっているので...
久生十蘭 「金狼」
...葵にはどうしても思いだせなかった...
久生十蘭 「金狼」
...途々根気よく頬ばつてゐた向日葵(ひまはり)の種の殻を吐きだすことも打ち忘れてぼんやりと考へこんでしまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...花なら夏の向日葵が之を代表する...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ワン・ゴオクの向日葵に見るやうな強烈な白いほどの日光と真赤なひなげしの葩の交錯する画面で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...宿の前には、向日葵が一本、すつかり枯れたまま、いまだに褐色の實を垂らしてゐる...
堀辰雄 「初秋の淺間」
...二三の花はまだ彼等の花のデリケエトな氣泡(bulles)を葵色(モオヴ)の高い枝付燭臺のやうに噴出(effusaient)させてゐたけれど...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...大宮は葵(あおい)夫人のことをまた思い出しておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...つなぎに「とろろ葵(あおい)」を用いる妙案は...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...なお上から紺地金襴(こんじきんらん)に葵紋(あおいもん)の龍神巻(まき)――法被(はっぴ)ともいうものを着せかける...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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