...葭子張(よしずば)りの便所へ立つたかへりに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...もう背を向けてそゝくさと葭子張りの便所に入つて行つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ところで冒頭の青鞜社の起因について述べるなら、一千八百五十年にロンドンで開かれた美術家の会合へ或る女流文士が Blue-Stocking(青色の靴下)を穿いてでかけたところからの名称で、宇野浩二氏の『文学の三十年』によると、平塚雷鳥、岡本かの子、三ヶ島葭子、原阿佐緒、伊藤野枝、荒木郁子、尾竹紅吉(今の富本一枝)、長沼智恵子後の高村光太郎夫人他数名を同人としてゐるが、「青鞜社が、その第一条の、「女流の天才を生む」どころか、「女流文学の発達」にさへ成功しなかつたのは(中略)女性解放を叫んだ人たちが叫んだだけに終つて、結局、教育のある、徒(ただ)の女に戻つたのか、厳しく云へば、元もと徒(ただ)の女であつた人が、高等以上の教育を受け、ある人は哲学をやつたが唯いくらか頭がよかつただけ、或る人は女性解放といふ理論の熱病にかかつただけ、もつとひどい人は新しい女と云ふ言葉に魅せられただけ」のための失敗であつたらうと、宇野氏は鋭く論断してゐる...
正岡容 「大正東京錦絵」
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