...」葦原醜男は弓矢を執つても...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...葦間の水は冷く光り...
伊藤野枝 「転機」
...「この葦原の中つ國四は...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...異(おつ)だろう」老人は葦の葉を縁先へ立てて見せる...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...△昨年の實例そこで村を買收するとあつても人民が居る、蒔いた麥を取らなければならぬと云ふのが昨年の春で、昨年の春村の有志が微かなる金を集めて堤防を拵へました、其堤防を築かせます前は色々此方から幸徳傳次郎さんの奧樣其他の御方の學生諸君が二十人御出になつて早く堤防を築けと云ふ御奬勵があり、其後島田三郎さんが御出になつたことがあります、黒澤さんや色々の學生樣が御出になつて――度々御出下さつて、御奬勵下さつて、漸く堤防を築く量見になつた、堤防と云ふ名でございませぬ、細い――畔みたいなものを拵へて昨年春上半期の收穫を取りました、其カキアゲ土手のやうなものが何程金が掛つたかと云ふと二千九百圓、僅に二千九百圓掛つた、尤も埼玉縣と云ふ地方から日當を取らない人夫が六百人出ました、群馬縣地方から五十人許り手間を取らない人夫が出て、皆御手傳がありましたから安くも上つた御蔭でございますが、合計二千九百圓しか掛らない、二千九百圓掛けて麥と笠にします菅、網代にする葦、簾にする葭、馬に食はせる東京へ賣出します草、豆が半分許り取れました、それから蕎麥、斯う云ふものが合せて七萬三千圓以上のものを取つたです、僅か二千九百圓の堤防で七萬三千圓以上のものを取りました、こゝが諸君の御記憶を願はなければならぬ、成程堤防と云ふやうな立派な物でありませぬ、僅に二千九百圓ですから、だが縣廳では之に十萬圓掛けて口が塞げなかつた、十萬圓掛けて塞げない所が如何に堤防と云ふ名が付くものでないと云ふ惡口を云ふが、どんな小さなものでもどんな樣のものでも用ひて七萬六千圓の收穫を取つた、縣廳の力で十萬圓掛けて出來ぬことを、縣廳の力で陸軍の馬糧麥に應ずることが出來ぬのを人民は二千九百圓で戰爭の御用を足した、縣廳の力で百二十萬圓掛けなければ安心が付かないものを二千九百圓で半年の安心が付いた、是が表から見ますと如何にも波が荒い所で堤防を現在見てもあの通り碎けて居る如く見へますが、之は皆拵へたものでありまして左程困難な譯ではない...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...そこには葦荻(ろてき)が人をかくすぐらいに深く生(お)い茂(しげ)っている...
田山花袋 「田舎教師」
...葦の穂先を撫でながら...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...池の端を描いた清親の板画は雪に埋れた枯葦の間から湖心遥に一点の花かとも見える弁財天の赤い祠を望むところ...
永井荷風 「上野」
...一目散に蘆葦茅草を飛び切って...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...「考える葦」に課された永遠の劫罰(ごうばつ)であろうか...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...物置小屋に古い葦簀(よしず)があったのを思い出し...
久生十蘭 「キャラコさん」
...連銭葦毛の奴は自分の両側へひょっこり姿を現わした新らしい友達を...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...もう葦(あし)がボウトを呑(の)んでしまったあとだった...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...汀の葦の中にどつかりと胡坐をして...
牧野信一 「バラルダ物語」
...葦の水際に腹逼つて...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...高き梢、低き葦間に、風吹き立ちて、忽(たちま)ち物皆散(あら)け失せぬ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...伏見などの葭(よし)や葦(あし)は...
吉川英治 「新書太閤記」
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