...』『一體マア何の話だらう? 大層勿體をつけるぢやないか? 葢許り澤山あつて...
石川啄木 「札幌」
...葢の除(と)れているのは不思議であったが...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...隔てゝ遠き離れじま都の春の一夢を磯のあらしにさまさせて氣は世を葢ほふますらをはいまはの床に眠るかな...
土井晩翠 「天地有情」
...小膽褊狹毫も人材を籠葢するの才なしと或は彼を政界の死人なりと笑ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...葢し帝国党は自ら内閣の忠僕たるを以て任ずと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大きな馬盥に水を一杯に汲んで鍋葢を浮べれば鍋葢のとつ手を横から見たのが佐渡が島である...
長塚節 「佐渡が島」
...勘次(かんじ)はお品(しな)が起(お)きて竈(かまど)の火(ひ)を點(つ)けるうちには庭葢(にはぶた)へ籾(もみ)の筵(むしろ)を干(ほ)したりそれから獨(ひと)りで磨臼(すりうす)を挽(ひ)いたりして...
長塚節 「土」
...切干(きりぼし)の筵(むしろ)は三枚(さんまい)ばかり其(その)庭葢(にはぶた)の上(うへ)に敷(し)いた儘(まゝ)で...
長塚節 「土」
...首(くび)が葢(ふた)に觸(さは)るので骨(ほね)の挫(くぢ)けるまで抑(おさ)へつけられてすくみが掛(か)けられた...
長塚節 「土」
...天葢(てんがい)というても兩端(りやうたん)が蕨(わらび)のやうに捲(まか)れた狹(せま)い松板(まついた)を二枚(まい)十字(じ)に合(あは)せたまでのものに過(すぎ)ない簡單(かんたん)なものである...
長塚節 「土」
...よき汝(われ)みんな芋(いも)すくつちやつたな」おつぎは鍋葢(なべぶた)をとつていつた...
長塚節 「土」
...「ああ瘡葢を零(こぼ)して...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...青貝で梅の花を散らした螺鈿(らでん)の葢(ふた)は傍(わき)へ取(と)り除(の)けられて...
夏目漱石 「明暗」
...両葢(りょうぶた)の金時計を出して見せた...
夏目漱石 「門」
...夫(それ)から硯箱(すゞりばこ)の葢(ふた)を取(と)つて...
夏目漱石 「門」
...彼等は夜中人の靜まつて後竊に其の葢を押開けて外へ出で...
松本文三郎 「印度の聖人」
...其上葢有二許由冢一云...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...高さは屋葢の尖頭部が十三四尺...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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