...』『一體マア何の話だらう? 大層勿體をつけるぢやないか? 葢許り澤山あつて...
石川啄木 「札幌」
...驕慢の円葢(まるやね)よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...眼葢の赤く爛れた汚らしいしかも年にも似合はず色氣の殘つてゐるやうな婆さんでした...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...そこで棺には葢をして...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...且つ相對(あひたい)する者二枚を合する時葢(ふた)と身との部さへ具(そな)はるが故に物を貯(たく)ふる器とするに適(てき)したり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...隔てゝ遠き離れじま都の春の一夢を磯のあらしにさまさせて氣は世を葢ほふますらをはいまはの床に眠るかな...
土井晩翠 「天地有情」
...葢し閣下の内閣は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...葢し藩閥元老の意気漸く衰へて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...三次(つぎ)の朝(あさ)霜(しも)は白(しろ)く庭葢(にはぶた)の藁(わら)におりた...
長塚節 「土」
...さうして斜(なゝめ)に遠(とほ)くから射(さ)す冬(ふゆ)の日(ひ)を浴(あ)びながら庭葢(にはぶた)の上(うへ)に筵(むしろ)を敷(し)いて俵(たはら)を編(あ)みはじめた...
長塚節 「土」
...天秤(てんびん)を擔(かつ)いだ儘(まゝ)ぼんやり立(た)つて居(ゐ)る商人(あきんど)の姿(すがた)を庭葢(にはぶた)の上(うへ)に見(み)た...
長塚節 「土」
...戸口(とぐち)の庭葢(にはぶた)の上(うへ)に三日(か)も四日(か)も置(お)いたのであつた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は清潔好(きれいずき)なのでむつゝりとしながら獨(ひとり)で居(ゐ)る時(とき)には草箒(くさばうき)で土間(どま)の軒(のき)の下(した)を掃(は)いては鷄(とり)が足(あし)の爪(つめ)で掻(か)き亂(みだ)した庭葢(にはぶた)の周圍(あたり)をも掃(は)きつけて置(お)いた...
長塚節 「土」
...急に貰って行く気になって葢(ふた)をした...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それから硯箱(すずりばこ)の葢(ふた)を取って...
夏目漱石 「門」
...それを椀(わん)の葢(ふた)の上へ載(の)せて...
夏目漱石 「門」
...その晩宗助は到来の菓子折の葢(ふた)を開けて...
夏目漱石 「門」
...ブラシを葢(ふた)の上に掴(つま)み出しながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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