...根の緩みたる瓦は落つ――これ自然の法則なり...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...実も熟れずに地へ落つることもなく...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...殆んど際限なく流れ落つるのかと思はれた...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...も早(はや)落ついている訳には行きません...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...百人一首にある陽成院の『筑波根の峯より落つる水無川恋ぞつもりて淵となりぬる』にて...
大町桂月 「秋の筑波山」
...十年の博覧会も一段落ついたことでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...小火の後始末が一段落つきますと...
豊島与志雄 「霊感」
...一花(いつくわ)落つれば...
永井荷風 「来青花」
...三円の報酬が彼の懐(ふところ)に落つる時...
夏目漱石 「野分」
...今の仕事に一段落つけて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...川の中に落つ)岩の蔭から禽(とり)がぱっと立つ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...始終わけもなくこせこせと落つかぬ素振りを示して...
牧野信一 「毒気」
...……で、不図、落ついたので、それにしても酷く坐り具合の好いソフアに居るが、いつの間にか敵軍を追ひ払つて、大将の席についたのかな? そんな心地がして、静かに眼を開いて見ると私は、雪五郎の膝を椅子にしてゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...で、さういふ癖は改めるに如くはないと思ひましたので、むしろ読みたいものは後まはしにして、見学式な望遠鏡を執らなければ、この筆を執る意味もなくなると眼を据えて十日も前から凡てのものをぼつばつ読みはじめて、そのいちいちに就いては決して自分らしくかた寄らぬ感想を述べるつもりで居りますが、さういふ間にもやはりその三篇のことが眼の先におどつて、落つきません故、先に述べさせて貰ひます...
牧野信一 「浪曼的月評」
...かつその体を通じて毛を生じ以てよく来り落つる花粉を抑留するなり...
牧野富太郎 「植物記」
...月並調に落ちんとするならば月並調に落つるがよし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ピッタリと落つきを持って生えた苔の美くしい地面の何とも云えず好い一種の香いが...
宮本百合子 「後庭」
...はふり落つる涙を...
吉川英治 「源頼朝」
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