...さすがに打萎れた面持は包みおほせなかつた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...若し人が蝶に触らうとしやうものなら、其の翅は萎れて、指と指との間に、貴金属のやうな美しい粉を塗りつける...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...みんな萎れ返って物も言わない...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...たつた一つ打萎れて...
薄田泣菫 「独楽園」
...いまは御無情に打ち萎れているとは申せ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...少女はそなたを注視して、にわかにハッと顔を赧(あか)らめて、我も仕合(しあわせ)とおもい顔にニッコリ笑ッて、起ち上ろうとして、フトまた萎れて、蒼ざめて、どきまぎして、――先の男が傍に来て立ち留ってから、ようやくおずおず頭を擡(もた)げて、念ずるようにその顔を視詰めた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...少女は打萎れ両手を胸に置いたまゝ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...悉く打ち萎れてしまつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...萎れきつて戻つて来るンぢやないかな...
林芙美子 「愛する人達」
...空二は急に萎れたやうな気持で俯向いた...
原民喜 「雲雀病院」
...皆々、おのれの心の中を見抜かれたような心地がし、粛然とし、打萎れ、つくづくとなり、その後(あと)で、力を合せて解剖の勉強に出精しようと誓い合ったことでござる...
久生十蘭 「玉取物語」
...今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付(たべつ)けの感情をおこし覚えずも悄然(しょうぜん)と萎れ返ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...雨に打たれてすつかり萎れ切つて...
堀辰雄 「巣立ち」
...萎れ屈している逍遙(そぞろあるき)に...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...」「萎れた、参木も駄目だよ...
横光利一 「上海」
...」萎れたマーガレットの花の傍から...
横光利一 「花園の思想」
...「萎れた花びらが...
横光利一 「火の点いた煙草」
...茎も萎れて泣かぬは無し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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