...時鴻がすむと萍郷(ひょうきょう)がうたう...
芥川龍之介 「上海游記」
...浮萍の如く動搖する迷妄の影よ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...併しこの御題目の功徳によつて顯現するものは唯萍のやうな偉大の意識であつて底から根を張つて來る偉大の事實ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...苔(こけ)は萍(うきぐさ)のようであった...
泉鏡花 「瓜の涙」
...錦鱗(きんりん)湖萍(うきぐさ)の温泉(ゆ)の湧く岸に倚(よ)り茂る自動車を下(おり)る夏草(なつぐさ)に油蝉(あぶらぜみ)なく山路(やまじ)かな旱(ひでり)大夕立来(く)るらし由布(ゆふ)の掻き曇り別府の地下は泉脈が縦横にあって...
高浜虚子 「別府温泉」
...いはば萍(うきくさ)の浮世の風に任する一女子の身...
高山樗牛 「瀧口入道」
...その身は浮萍のやうに...
田山花袋 「道綱の母」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...入レ夢萍蹤軽隔レ塵...
永井荷風 「冬の夜がたり」
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前田普羅 「普羅句集」
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正岡子規 「俳人蕪村」
...この蓮花池は本(も)とドブ溜だつたが、雨夜忽ち蓮花が生じ香を放ち、又、其葉や莖を風が吹く聲を聞たと云ので、決して花が開く音を指たでなく、集成同卷に、青州府志、蓮花池在二玉交里中一、莽蕩無レ際、青萍環覆、紅碧交加、蓮蕊爭レ勝、爛漫如レ霞、然乍有乍沒、兆二沂之盛衰一、或疑三其有二靈氣一云と云ると等しく云はゞ蓮の幽靈だ...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
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森鴎外 「細木香以」
...すでに柳里恭(りゅうりきょう)が『雲萍(うんぴょう)雑志』にもこれを認めず...
柳田國男 「地名の研究」
...萍水(ひょうすい)ふたたび巡りあう日くれば...
吉川英治 「三国志」
...水辺の萍(うきくさ)に似て...
吉川英治 「平の将門」
...萍(うきくさ)のような境遇ですな...
吉川英治 「平の将門」
...萍(うきくさ)ぐらしの権十にとっては...
吉川英治 「旗岡巡査」
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