...輝いた鮮かな芽が萌え出て居るのを見る時に...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...ただ広々とした野原の萌え出づる新緑の空気を吸って見たい...
大杉栄 「獄中消息」
...春は若草の萌えた野道から来るともいい...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...日は未だ淺いけれど地面を踏めば萬感が湧き起る黒くしめつた空地には一杯青い平べつたい草が萌え出した...
千家元麿 「自分は見た」
...萌え出(い)づる時の美(うる)はしさに...
高山樗牛 「瀧口入道」
...そしてこうした科学的文芸評論の多少なりともの新しい芽生えに対して(之は例外なくマルクス主義哲学の畑から萌え出るのだが)...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...草の葉が萌えだし...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...芽はまだ萌えざれども少年の情緒は赤く木の間を焚(や)き友等みな異性のあたたかき腕をおもへるなり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...地から萌えるぬくもりに擽(くす)ぐられた...
本庄陸男 「石狩川」
...間もなく蕨の芽が萌えようとしてゐる夢のやうに伸び渡つた草原を一散に駆けて行く野兎の姿が点となるまで見極められるなどといふことは...
牧野信一 「春の手紙」
...若草萌えている土手の下...
正岡容 「小説 圓朝」
...若葉の萌える春のころだった...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...大地は己を迎えて緑に萌え...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...野原とも云ひたいこの廣大な溪谷にももく/\とした若葉の呼吸が萌え立つてゐるのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...ことに向う岸の権現の社からかけて大きな森林に萌え立った若葉の渦巻の晴々しさ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...などと云っていると私の心には何とも云えぬ或る落ちついた寂しさが萌えて来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...この時期に萌えいでた芽はたとえそれが生活の中心へ来なくても...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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