...桑の芽の萌黄(もえぎ)に萌えつつも...
泉鏡花 「一景話題」
...青い草の萌える、満ちた川水の流れる、霞の被衣(ひい)のやうにほのかに靡く春に――...
田山録弥 「不思議な鳥」
...芝の芽の萌えるころはふるさとの丘を思ひだすゆるやかにふわふわと雲の浮かんだあの丘山を犬ころが走り凧があがりぼくらは寝そべつてゐたつけが「どこへ行かうかな」「大きくなつたら」「海へ――空へ――遠いところへ――」誰やかれやみんな叫びあつた――芝の芽の萌えるころはふるさとの丘を思ひだすゆるやかにふわふわと雲の浮んだあの丘山をああ誰もかれもみんな大きくなつただらうな...
土田耕平 「芝の芽」
...かくて物理的空間は物理学乃至普通云われる処の厳正科学の内部から萌え出た方法でなければならない*...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...そしてこうした科学的文芸評論の多少なりともの新しい芽生えに対して(之は例外なくマルクス主義哲学の畑から萌え出るのだが)...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...思へば年ごとの春に萌えだす木の芽は年ごとにあらたに我らを驚かすべきであつたであらう...
中勘助 「銀の匙」
...その可憐な中には迷わしいような濃艶(のうえん)な色香が萌え立っていました...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...(五月×日)なまぐさい風が吹く緑が萌え立つ夜明のしらしらとした往来が石油色に光っている森閑とした五月の朝...
林芙美子 「新版 放浪記」
...若草の萌えてゐる丘や畑や清流は...
原民喜 「小さな村」
...いつどこでどうして萌えだしたのか...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...舗石の間からは雑草が萌え出し...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...若草萌えている土手の下...
正岡容 「小説 圓朝」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...下の水際の敷石の間から草が萌え出し...
横光利一 「旅愁」
...若芽の萌え出した柔かな田園...
横光利一 「旅愁」
...ひとり萌えるにもやり場のないものは...
吉川英治 「新・水滸伝」
...既に早やうす茜色に気色ばんだ木の芽が丸みを見せて萌えかけているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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