...渚(なぎさ)には真菰(まこも)や葦(あし)が若々しき長き輪郭を池に作っている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...末広さんと組んで……」菰被(こもかぶ)りの上に名入りの提灯(ちょうちん)をいくつも張り出した馬肉屋(けとばしや)の店先では...
高見順 「如何なる星の下に」
...この間引越のときに解(ほど)いた菰包(こもづつみ)の藁屑(わらくず)がまだ零(こぼ)れていた...
夏目漱石 「それから」
...平次は菰の中から顔を挙げました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見世物ぢやねえ」ガラツ八に彌次馬を追はせて菰(こも)を引剥ぐと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...菰(こも)でもかけてやるがいい」検屍(けんし)の済まないうちは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...菰(こも)の上で鉦(かね)を叩いてゐた乞食坊主の鑑哲は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...菰(こも)の上に固くなってまた菰をかぶっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...新非人だの、菰かぶり、宿なしだのといふのは世間師の方です...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...そんな事をすると今にお菰になるよ...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...越えて十六日「地蔵菩薩」は菰(こも)に包まれて私の手許(てもと)に届きました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...或る夜その小屋の垂菰(たれごも)をかかげて...
柳田国男 「遠野物語」
...尺八を持った骸骨(がいこつ)みたいな菰僧(こもそう)だの...
吉川英治 「親鸞」
...菰僧(こもそう)ていの男は...
吉川英治 「親鸞」
...お菰(こも)が火でも焚(た)いているのかと思いながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あるけない」菰(こも)の十郎とお稚児(ちご)の小六の肩にすがって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...菰(こも)をかけた一箇の死体が地上にある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...大きな鯛(たい)や酒菰(さかごも)が何処からか運ばれて来るし...
吉川英治 「宮本武蔵」
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