例文・使い方一覧でみる「菫色」の意味
スポンサーリンク...菫色（すみれいろ）の光を帯びた野州の山々の姿が何か来るのを待っているように... 
芥川龍之介 「日光小品」
...鶸（ひわ）の嘴（くち）がちょっと触っても微（かすか）な菫色（すみれいろ）の痣（あざ）になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...当座の御礼のしるし迄に……」と先刻（さっき）拾って置いた菫色の手巾を出すと...
泉鏡花 「婦系図」
...菫色の薔薇（ばら）の花...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...六番目は菫色（すみれいろ）と変化しているのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...廂髪（ひさしがみ）に菫色（すみれいろ）の袴をはいて海老茶（えびちゃ）のメリンスの風呂敷包みをかかえていた...
田山花袋 「田舎教師」
...菫色（すみれいろ）の独逸（ドイツ）海の海面が...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...菫色（すみれいろ）になり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...突兀（とっこつ）たる菫色（すみれいろ）の稜線（りょうせん）が眩しい靄（もや）の中から覗いている...
中島敦 「光と風と夢」
...ランヴァンの菫色のすごい書簡紙で...
久生十蘭 「だいこん」
...鮮緑色と菫色（すみれいろ）との火のあまたのぎらぎらしゆらゆらしている焔と共に...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...雲の割れ目から菫色（すみれいろ）の空がちらりと見えるようなこともあったが...
堀辰雄 「美しい村」
...その菫色がたまらなく好きであった...
堀辰雄 「美しい村」
...その皮膚（ひふ）の底の方にはなんだか菫色（すみれいろ）のようなものが漂っているように見えた...
堀辰雄 「美しい村」
...翼（つばさ）と尾（を）とが菫色（すみれいろ）を帶（お）びてゐます...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...菫色の繻子（サテン）の...
松本泰 「Ｐ丘の殺人事件」
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森川義信 「廃園」
...彼は美しいものには何ものにも直ちに心を開く自由な旅行者として、たとえば異郷の舗道、停車場の物売り場、肉饅頭、焙鶏、星影、蜜柑（みかん）、車中の外国人、楡（にれ）の疎林、平遠蒼茫たる地面、遠山、その陰の淡菫色、日を受けた面の淡薔薇色、というふうに、自分に与えられたあらゆる物象に対して偏執なく愛を投げ掛ける...
和辻哲郎 「享楽人」
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