...女の死骸を莚に入れて背負うて来た...
田中貢太郎 「山姑の怪」
...往来には軒先に莚(むしろ)を敷(し)いたり...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...今年大正十一年十月の朔日、わが市川松莚子、一座の俳優を統率して京都に赴き、智恩院の樓門を其のまゝの舞臺となし野外の演藝を試るといふ...
永井荷風 「十年振」
...おそる/\庫裏(くり)の戸を叩いて老尼の出るを待つたのは松莚君と余の二人である...
永井荷風 「十年振」
...新冨座に松莚君を訪ふ...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...松莚子と風月堂に会す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...朴訥な顏をした若者が三四人と其他に二三人莚に坐して居る...
長塚節 「佐渡が島」
...糞を集めた莚(むしろ)を土の上に置くと...
中村地平 「南方郵信」
...荒莚(あらむしろ)をかけたままにしてあり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...莚の方は実は第二だ...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...さっそく上の谷戸へ行き、出居の敷莚に、肱枕でひだるそうにうたた寝をしているのをひき起し、言われたとおりの口上を述べると、大炊介という貧郷士は、これは異なことをうけたまわるものかな...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...昨三日(昭和×年八月)諾威(ノルエー)公使館に於ける同国皇帝誕辰(たんしん)の祝賀莚(えん)に個人の資格を以(もっ)て列席後...
夢野久作 「二重心臓」
...一枚の莚(むしろ)の上に...
吉川英治 「剣の四君子」
...また牛車の上の素莚(すむしろ)へ...
吉川英治 「三国志」
...莚(むしろ)の上で...
吉川英治 「私本太平記」
...もう一枚の莚(むしろ)をながめ...
吉川英治 「源頼朝」
...そこに二枚の荒莚(あらむしろ)を敷かせ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...男女(ふたり)の俯伏(うつぶ)している莚(むしろ)のそばに佇(たたず)んでいたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索