...蒲団や藁莚などの一めんに浮んだ中に人の死体が見えた...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...屍体を一枚の莚(むしろ)で蔽うて...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...酔中野宿・酔うてこほろぎといつしよに寝てゐたよ大地に寝て鶏の声したしや草の中に寝てゐたのか波の音・酔ひざめの星がまたゝいてゐる・どなたかかけてくださつた莚あたゝかし此宿はよくないが...
種田山頭火 「行乞記」
...松莚子と日本橋末広に飲む...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...過日松莚子より依頼の脚本筆取るべきやいかゞせむと思ひわづらふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...松莚子竈河岸の八新に岡...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...家のない竹薮の中に莚(むしろ)を張って転がっている者もある...
永井隆 「長崎の鐘」
...渡し場から莚(むしろ)を借り...
中里介山 「大菩薩峠」
...花莚(はなござ)の上へ座ったままでいった...
長谷川時雨 「神田附木店」
...曲線(きよくせん)だとか繩(なは)だとか莚(むしろ)だとかの形(かたち)を押(お)したものは見當(みあた)りません...
濱田青陵 「博物館」
...もうその時彼は爐辺から七八尺離れた方へはねのけられて居て、お巡査(まはり)さんは、莚をひんむいて、穴蔵の口の蓋をとりのけようとして居るのであつた...
平出修 「夜烏」
...莚(むしろ)を織り...
吉川英治 「三国志」
...莚(むしろ)をのべ...
吉川英治 「三国志」
...莚(むしろ)を敷きならべ...
吉川英治 「新書太閤記」
...莚のうえに鼎坐(ていざ)していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分たちの莚(むしろ)の前に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あそこへ置いた莚(むしろ)を黙って持って行ったじゃないか」「あの莚か...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――とにかく一枚の莚に招かれても客は客であるから...
吉川英治 「宮本武蔵」
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