...枯莖に殘つた澁い紫の小さな茄子が...
泉鏡花 「遺稿」
...離崎、鵜の尾岬、水莖山、松川浦、長洲の磯、鶴巣野、梅川、松沼濱、沖が島、文字島、紅葉の岡、川添の森、これ松川浦の十二景とする所なれども、さばかりの景致あるにあらず...
大町桂月 「常磐の山水」
...來し方のながき砂路に殘るらむあえかの花のひと莖は...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...おすがは芋の莖を菜刀でもとから切つて先へ出る...
長塚節 「芋掘り」
...おすがは莖を切り畢ると後へもどつて掘つてある大きな土の塊を兩手で二尺計り揚げてどさりと打ちつける...
長塚節 「芋掘り」
...まだ先(さき)の軟(やはら)かな夏蕎麥(なつそば)の莖(くき)で薄青(うすあを)く染(そ)まつたのが見(み)えて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...垂(た)れた鳳仙花(ほうせんくわ)の枝(えだ)は竹(たけ)の杖(つゑ)に縛(しば)りつけようとして手(て)を觸(ふ)れたらぽろりと莖(くき)から離(はな)れて畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...莖(くき)を縛つたの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一莖の姿もよければ...
長谷川時雨 「菜の花」
...人造の齒莖は桃色で妙な形をしてゐる...
林芙美子 「旅人」
...そのしなやかな莖はしかし思つたよりも長い蔓になつてゐてそれからそれへと絡らみ合つてゐた...
堀辰雄 「牧歌」
...金莖の露一杯といふ心持がした...
正岡子規 「九月十四日の朝」
...月見草の種がはじけたまま枯れた莖もその中に絶えることもなく続いていた...
水野葉舟 「遠野へ」
...其葉や莖を風が吹く聲を聞たと云ので...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...脚は反對にしつかりと枯草の莖にしがみついて...
室生犀星 「星より來れる者」
...別にその莖を食料にすることも栽培の一つの目的であるらしい...
柳田國男 「食料名彙」
...と言ひながら信州路から連れて來た私の老案内者はその大きなきたない齒莖をあらはして笑つた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...金(きん)の莖(くき)...
和田萬吉 「竹取物語」
便利!手書き漢字入力検索