...しかも馬車を寄せた家というのは、たいそうご立派なものらしく、古風な鉄柵、荘重な門扉、真鍮の造作、そして色電灯の放つ紫の光を背に受け現れた威儀ある執事に至るまで、見事にすべて調和していた...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...同時にまた俳句としてもっとも荘重な典雅な調子を有している切字なのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...それがとんでも無い間違いだと知っていながら私が余りにも荘重な口調で盲断しているので...
太宰治 「佐渡」
...案外荘重な響きも出て来て...
太宰治 「鉄面皮」
...テンポのおそい荘重なJAZZ――この滑稽な矛盾こそは現代の英吉利だ!――銅版画の古城からきこえてくるエイル・ブルウの舞踏(ステップ)...
谷譲次 「踊る地平線」
...」「閣下(エッチェレンツァ)」とソーボリが荘重な顔をして言う...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...あれはある無名の宗教の荘重な儀式と考えるべきものである...
寺田寅彦 「田園雑感」
...人間学主義は一等安易な――尤も荘重な身振りはするが――哲学である...
戸坂潤 「思想としての文学」
...一見極めて荘重なものにまで及んでいる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...極めて荘重なる弁舌を以て犯罪を天性に帰するの理論を否定せり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...荘重な幻影を道化(どうけ)た幻と変えるまでである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...別に急ぎもせず荘重なまじめさで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...高遠荘重なる点において...
野村胡堂 「楽聖物語」
...彼の顔に一種荘重な...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...別に荘重な起源があるわけではない...
柳田国男 「故郷七十年」
...若林博士の荘重な顔付きとを惘々然(ぼうぼうぜん)と見比べない訳に行かなかった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...全文が荘重な仏教音楽であると思う...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そして眉もうごかさない落ちついた態度の美に――何か荘重なものを見ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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