...凍って自由にならない手のひらを腰のあたりの荒布にこすりつけて熱を呼び起こしながら...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...鬱蒼たる老樹の幹には蔦葛(つたかずら)の葉が荒布(あらめ)のように絡(から)み着き...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...あの四方の壁の背後にいるそれらの男や女は、荒布をまとい、みな平等で、互いに兄弟姉妹と呼んでいる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...荒布(あらぬの)の前掛を締めた荷揚の人足が水に臨んだ倉の戸口に蹲踞(しゃが)んで凉んでいると...
永井荷風 「夏の町」
...私はかゝる風景の中(うち)日本橋を背にして江戸橋の上より菱形をなした広い水の片側(かたかは)には荒布橋(あらめばし)つゞいて思案橋(しあんばし)...
永井荷風 「水 附渡船」
...荒布で囲われた仮小舎が並び...
中島敦 「光と風と夢」
...だから私は「荒布橋(あらめばし)」の冒頭に出てくる燕(つばめ)の飛ぶ様子や...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...「荒布橋」とか、「岡田君の日記」とか、「六月の夜」の一部分とかになると、其所(そこ)に手荒で変に不調和なものが露(あら)われているようです...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...荒布橋(あらめばし)から中ノ橋へかけて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...荒布(あらめ)橋...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...荒布(あらめ)のようになった古布子をきて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...綴りにつづって手のほどこしようもない荒布(あらめ)のようなカッタウェーの裏絹を...
久生十蘭 「復活祭」
...服は荒布のようになって...
久生十蘭 「魔都」
...膝のあたりに荒布の作業服をとおして...
平林初之輔 「人造人間」
...天満(てんま)の八百屋市(やおやいち)に行て昆布荒布(あらめ)のような海草類を買(かっ)て来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...糸の類(たぐい)にて充実(じゅうじつ)したるもの)投者(ピッチャー)が投げたる球を打つべき木の棒(バット)(長さ四尺ばかりにして先の方やや太く手にて持つ処(ところ)やや細きもの)一尺四方ばかりの荒布にて坐蒲団のごとく拵えたる基(ベース)三個本基(ホームベース)および投者(ピッチャー)の位置に置くべき鉄板様の物一個ずつ...
正岡子規 「ベースボール」
...海松(みる)や荒布(あらめ)を打ち上げているところがあった...
森鴎外 「山椒大夫」
...荒布橋(あらめばし)方面や...
吉川英治 「大岡越前」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??