...わが魂(たましひ)の住家は、大み慈悲の胸なれば、人の世み冬の今をさむみ、旅路の小草しをれて、眺めよ、さのみ荒るるも...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...秋の海荒るゝといふも少しばかり拝謁や菊花の階を恐懼(きょうく)して拝謁を賜りければ菊の花御船(みふね)今静(しずか)に進む夜長かな十月二十四日 別府亀の井を出て乗船...
高浜虚子 「五百五十句」
...寺は唯荒るゝに任せた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...父と母と清三とは炬燵(こたつ)を取りまいて戸外(おもて)に荒るるすさまじい冬の音を聞いていたが...
田山花袋 「田舎教師」
...クリュセース祭司の許に送らずば疫癘荒るる禍を神アポローン退けじ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...402 アイガイオーンは荒るる者を意味す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...はげしく荒るるアレースの手を取り彼に宣んしいふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...譬ふれば水量増して荒るる河...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...駿馬の立ちたりし場(には)のむなしく荒るゝを見...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その時ヂュウス其愛兒サルペードーンをアカイアの 290軍にさながら牧牛の中に獅子王荒るるごと...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...こなたトロイア軍勢はさながら荒るる獅子のごと...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかも荒るるがままに荒れ果てた屋根や...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...暴風吹き荒るるとも恐るることなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...山荒るゝと謂ひけると也...
柳田国男 「山の人生」
...吹き荒るる雪の音を聞いていた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...荒るる海をながめていたのは...
吉川英治 「新書太閤記」
...法勝寺の山荘も荒るるにまかせてあり...
吉川英治 「親鸞」
...荒るゝがまゝに荒れはてた悪路であつた...
若山牧水 「木枯紀行」
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