...少しぷんとしてなお荒っぽく座敷を掃く...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...やってくれるね」四・五・六は荒っぽく言った...
高見順 「いやな感じ」
...晴れた大空へかんかんと金槌(かなづち)の音をさせて荒っぽく仕事をするので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...感じが荒っぽく一見山田先生の特色が出ている...
高村光太郎 「回想録」
...使いかたが荒っぽく...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...次第に荒っぽく且つ沈鬱になっていた...
豊島与志雄 「群集」
...隔ての襖を荒っぽく引きあけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうだ」竜之助は荒っぽく返事をしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...言葉を荒っぽくして叱りつけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...どんなに荒っぽく振舞っても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どこの山笠も荒っぽくなる...
火野葦平 「花と龍」
...東京のすし屋ことばは、ちょいときくと、荒っぽくて、喧嘩を売られてるみたいだが、決して、威張り散らしているわけではない...
古川緑波 「このたび大阪」
...どぶ板を、無遠慮に踏んで、路地奥にはいって、磨きの格子戸――まだ雨戸がはいっていない、小家の前に立つと、ためらわずに、「御免ねえ! ちと、急用だが――」どこまでも、無垢(むく)のものらしく住みなしている一家――ばあやが平気で出て来て、「どなたさんか? おかみさんは、ちっと用があって出て、戻りませんが――」「それじゃあ、上げて貰って待って見よう――ちっと、大事な話なんで――」ばあやは、透かして見て、遊び人が、何か筋をいいに来でもしたかと思ったか、「でも、今夜は、遅いから、あしたのことに――もう、お前さん、夜更けですよ」一九闇太郎と、婆やとの押問答が、二階に聴えたと見えて、晩酌に一本つけて貰って、女あるじ――女親分の留守の間を、楽々とごろ寝を貪(むさぼ)っていた例のむく犬の吉むくりと起き立って、鉄火な口調がまじっているので、さては、探偵手先(いっけんもの)か? それとも、弱身を知っての押しがりか? と、耳をそば立てたが、そのまま、とんとんと、荒っぽく、段ばしごを駆け下りて、「誰だ、誰だ? 何だ? 何だ? こう、小母さん、退(ど)きねえ――」と、婆やを、かきのけるように格子先を、白い目で睨(にら)んで、「おい、おまはん一てえ、どこのどなただ? よる夜中、ひとの格子をガタピシやって、どぎついことを並べるなあ、あんまりゾッとした話じゃあねえぜ!」と、まず、虚勢を張って見る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ほ、ほ、ほ、門弟衆に、見せてやりたいわね」平馬は、唇をゆがめるようにして、煙を吐くと、荒っぽく、ぽんと雁首(がんくび)を灰吹きに叩きつけて、立ち上って、庭に下りようとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...うるさい!」荒っぽく寝がえりをうちながら女給が舌うちをした...
宮本百合子 「刻々」
...そのたびに私は燃えるような気持で聞きました兄が荒っぽく耕して置いてくれた私の頭に先生の言葉が滋養分のある水のようにしみこみ...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...遮二無二ひっぱたいて荒っぽく走るのは壮快無比...
山本笑月 「明治世相百話」
...だめ」「関東侍(ざむらい)は遊ばぬか」「荒っぽくて」「……お母さん...
吉川英治 「宮本武蔵」
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