...荒くれた自然の中の姫君なる亜麻の畑はやがて小紋(こもん)のような果(み)をその繊細な茎の先きに結んで美しい狐色に変った...
有島武郎 「カインの末裔」
...田舎の荒くれ馬を四頭雇い入れて...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...みんな清正の荒くれだつた手がかかつてゐたことに決めてゐるらしい...
薄田泣菫 「独楽園」
...荒くれた漁師と病氣の乞食の場合は...
太宰治 「お伽草紙」
...荒くれ水夫たちに組敷かれてしまった...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...私を襲った荒くれ者の一団が...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...荒くれた人たちがおおぜい...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...そのあとを同じように裸体(はだか)になった荒くれ男が...
中里介山 「大菩薩峠」
...荒くれ男共だつたら如何するの」低声で言つた...
中原中也 「分らないもの」
...利助の荒くれた手に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もともと、荒くれた立引と、生き馬の眼を引き抜く鋭敏さと、ときには、血で血を洗う争闘さえ、辞せられない請負師をしていたことが、永田杢次には無理なのであった...
火野葦平 「花と龍」
...四五人の荒くれが取って押えると...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...いよいよ荒くれな男どもの声が...
吉川英治 「江戸三国志」
...荒くれ男どもの姿も見えない...
吉川英治 「剣難女難」
...真ッ黒な荒くれどもの中に埋まってしまう...
吉川英治 「剣難女難」
...女ばかりな寮の一廓を荒くれ男の賭場同様にしても...
吉川英治 「剣難女難」
...荒くれどもの矢ジリを見ては...
吉川英治 「私本太平記」
...かつまた一徹(いってつ)な部下ども、荒くれども、これらも、何をしでかすか、自暴の極には分りませぬぞ」「あいや、貞満」頭(とう)ノ中将行房が、大床の端から諭(さと)した...
吉川英治 「私本太平記」
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