...遂に荏苒(じんぜん)今日に及べり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...追羽子をつくばの山に上らむと思ひたちしは、明治二十四年の夏、富士山にのぼりし時の事なるが、荏苒たる歳月、つくばねの名に負ひて、ひい、ふう、みい、よ、いつ、六歳を數へ來て、都は春の風吹き、山色翠を添ふる今日この頃、少閑を得て、遂に程に上る...
大町桂月 「春の筑波山」
...しかも最早一日も荏苒(じんぜん)していられない土壇場に押しつめられたような時代であった...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...播磨の國から荏の油を取寄せて...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...廿五日、丙寅、和田平太胤長の屋地、荏柄の前に在り、御所の東隣たるに依りて、昵近の士、面々に頻りに之を望み申す、而るに今日、左衛門尉義盛、女房五条局に属して、愁へ申して云ふ、彼地は適宿直祗候の便有り、之を拝領せしむ可きかと云々、忽ち之を達せしむ、殊に喜悦の思を成すと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...胤長の荏柄の前の屋地を拝領せられ...
太宰治 「右大臣実朝」
...武藏國荏原郡下沼部發見 理科大學人類學教室藏五...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...武藏荏原郡大森貝塚同 郡上沼部貝塚同北豊島郡小豆澤貝塚同 郡西ヶ原貝塚同北足立郡貝塚村同 郡小室村同南埼玉郡黒谷村常陸河内郡椎塚貝塚下總東葛飾郡國分寺村貝塚陸奧南津輕郡浪岡村●貝殼器はまぐりの如き貝殼(かいがら)は自然に皿形(さらがた)を成し...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...荏苒(じんぜん)の境(さかひ)に落付(おちつ)いてはゐられなかつたのである...
夏目漱石 「門」
...上方(かみがた)風の荏柄(えがら)ぬりの格子窓で...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...何らなすことなく荏苒(じんぜん)と日を送り...
久生十蘭 「地底獣国」
...「荏薇問答」と題してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...荏薇(じんび)問答の榛軒書中に所謂「叔母」である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...五百の眼病が荏苒(じんぜん)として治(ち)せぬので...
森鴎外 「渋江抽斎」
...荏胡麻の實を臼に入れて搗き締木にかけて油を搾つた殘りを...
柳田國男 「食料名彙」
...荏胡麻(えごま)の実を臼に入れて搗き締木(しめぎ)にかけて油を搾った残りを...
柳田國男 「食料名彙」
...三十四の年に荏原郡調布村(えばらごおりちょうふむら)に土地を買った...
山本周五郎 「追いついた夢」
...徳次郎の実家は荏原(えばら)在にあり...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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