...草の根のまだ白い泥土(どろつち)の欠目(かけめ)から...
泉鏡花 「海の使者」
...飢え渇し峠を越え断崖を攀(よ)ぢ谷を渡り草の根にすがらねばならない...
伊藤野枝 「新らしき女の道」
...海草の根に十センチもたまっているゴミが...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...草の根もとに金の釵(かんざし)が一つ光っていた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...また草の根をぶりぶりかき切るのも痛快なものである...
寺田寅彦 「路傍の草」
...手は草の根を握りしめなければならなかった...
永井隆 「長崎の鐘」
...深く草の根に籠(こも)って...
夏目漱石 「草枕」
...私は眼を閉ぢてなにかの草の根を噛まうとするなにかの草の汁をすふために 憂鬱の苦い汁をすふために...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...雨水を集めて両岸の草の根まで幅をひろげ...
本庄陸男 「石狩川」
...草の根を刈り石を除けるの故事ありという」こう独語を漏らすこともあった...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...そのとき彼は丈夫なほうの足を草の根につっかけて横ざまに倒れた...
山本周五郎 「藪落し」
...草の根を煮て汁としたりして...
吉川英治 「三国志」
...枯れ草の根を掘りちらしていた...
吉川英治 「三国志」
...草の根を分けても誅罰(ちゅうばつ)せずにはおかん...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、山城渓谷の深きに入って、糧(かて)なく持久を策す折も、草の根、松の根、何でも噛んで胃の足(た)しにせにゃならぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――おまえたちは草の根にいる虫だと思っている」「へえ……じゃあわし達は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...草の根を掻きわけても...
吉川英治 「宮本武蔵」
...珠數草の根を洗ひながら流れてゐる水のせゝらぎが耳につく...
若山牧水 「樹木とその葉」
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