...しかし、茶碗を洗つて、椎茸をきつて、鍋に入れて、火にかけて、机の前に來てすわるまでの間に、何の事だつたかすつかり忘れてしまつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...毒茸が多くて食すべき大獲物に接し得ないことと...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...いつかは茸のやうな這麼(こんな)仄(ほの)かな風味に舌鼓(したづゝみ)を打つ興味に感じなくなつて了(しま)ふかも知れぬ...
薄田泣菫 「茸の香」
...椎茸は車の右脇へ頭を出したり左へ出したり...
寺田寅彦 「車」
...母親は椎茸(しいたけ)を丼で湯に浸(つ)けていながら...
徳田秋声 「足迹」
...笠だけが茸(きのこ)の簇生(ぞくせい)したように続いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...右に挙げた類の茸族のうちのいずれがその加害者であるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...「松茸の土瓶蒸で一杯やるかな――」仏頂寺が仏頂面に涎(よだれ)を流してそれを受ける...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこから茸(きのこ)の薫りは生れ...
中原中也 「秋の日曜」
...笑(わら)い茸(だけ)の粉を和蘭(オランダ)渡りの赤酒(せきしゅ)に入れて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...持参の松茸飯を皆で食ひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...松茸ソテーベーコン...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...しかしこの方は松茸の匂いが幾分(いくぶん)か失せます...
村井弦斎 「食道楽」
...白望に茸を採りに行きて宿(やど)りし夜...
柳田国男 「遠野物語」
...葱は上州から、人参は京都、海苔は大森、椎茸は伊豆、と一流品の出所まで精しく話した後、ここの鴨だけは芸術品になっているとまで、ついにそのあたりから東野の説明も少少うるさくなって来た...
横光利一 「旅愁」
...お茶や松茸の味噌漬が出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...トルストイの確か『戦争と平和』だったかにそういう意味で茸狩りの非常に鮮やかな描写があったと思う...
和辻哲郎 「茸狩り」
...彼に茸の価値を教えたのである...
和辻哲郎 「茸狩り」
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