...あの鼻などを椎茸(しひたけ)と一緒(いつしよ)に煮(に)てくへば...
芥川龍之介 「食物として」
...その辺の疎らな松木立の中に猪の鼻か松茸がひそんでいるかもしれないと想う念(おもい)がぐんぐん力をつけて一層両脚を急がせてくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...これは大紅茸と云ふのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...筍だとか椎茸だとかをほんのぽっちりいただいて...
上村松園 「余齢初旅」
...今朝(けさ)清水河原(しみづかはら)村にてもとめたる舞茸(まひたけ)にこゝの芋(いも)などとりそへて...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...天狗茸(てんぐだけ)と二十日鼠(はつかねずみ)のしめった鼻と青虫の五臓とで作ったサラダ...
太宰治 「ろまん燈籠」
...蛙(かえる)の焼串や毒茸(どくきのこ)などを食べて成長し...
太宰治 「ろまん燈籠」
...せつかくの松茸が腐つたさうな...
種田山頭火 「其中日記」
...十二時近く水窪町へ着く、さびしい街だ、ここで酒屋の若主人から、これからは難路であることを教へられ、逆に電鉄のある方――天龍本流へ戻ることにした、やかまし食堂といふ家で、大豆腐一丁(何と大きな豆腐であつたよ)、酒一本、飯一碗を詰めこんだ、そしてむつかしい、あぶない峠を登りはじめた、間もなく雨が降りだした、やうやく登りつくして、いそいで下る途中で雷雨にたゝかれた、白神(シラナミ)駅に辿りついた時は五時を過ぎてゐた(二里あまりに五時間を費したのだ)、駅といつても駅員はゐない、粗末な小屋があるばかりである、それでも乗る人はあつて数人あつまつた、椎茸買出商人、出稼人、山住神社参詣人、等々で、みんな親しく賑やかに話し合ふ、私は言葉がよく通じないことを残念に思うた、発電所に落雷したとかで停電、電車がおくれて、最も近くて宿屋がある駅といふ満島へ下車して、T屋に落ちついた時は七時半、山峡は早くもとつぷり暮れてゐた、途中は苦しかつたけれど、風景は申分なかつた、殊に峠を下りつゝ、天龍を見はるかす山のすがたは何ともいへなかつた、絶景絶叫だつた...
種田山頭火 「旅日記」
...それから山で茸類(たけるい)がとれる――温泉とこれらの産物によって土地の人は活計を立てているのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...土瓶も松茸も泣くだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...腐木に湧く毒茸...
中島敦 「南島譚」
...現にそこで松茸飯を食ってるお朝なぞも実はおれに惚れたのさ...
夏目漱石 「明暗」
...椎茸髱(しゐたけたぼ)の女中共に苛(いぢ)め拔かれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椎茸髱(しいたけたぼ)の女中どもに苛(いじ)め抜かれて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お松さんも椎茸(しいたけ)さんも姐(ねえ)ちゃんも寄っといで...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...裂いた松茸(まつたけ)に鮒(ふな)の串焼(くしやき)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それから先の茸との交渉は厳密に彼自身の体験である...
和辻哲郎 「茸狩り」
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