...初茸、シメジ、獅子茸の類は初秋のものに属し、椎茸は仲秋(椎茸は総じて秋季に生ずるものにめざましいものは少く、却って春季に生ずるものを尊ぶ)に生じ、松茸、猪の鼻、舞茸、玉茸の類は仲秋から晩秋にかけて多いようである...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...本物の紅茸にはこんなぼろのやうなものはないし...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...このしめじ茸の持って生れた本性であるらしい...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...かういふ言葉は矢張馬の上から茸のやうな子供に聞かせた方が一番利き目があるやうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...街道に沿うた松並木の影の中をこの椎茸がニョキ/\と飛んで行くのがドンナに可笑しかったろう...
寺田寅彦 「車」
...松茸蒸も頬っぺたが落ちそうに旨いけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...短歌少女子の小松が根ろに茸狩ると巖阪根阪踏みならすらし吾父ひとのことにかゝづらひて一たびは牢の内にもつながれけるが三とせになれどもことのうたがひははれず...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...別名を踊り茸ともいう...
野村胡堂 「胡堂百話」
...お尻に茸(きのこ)が生えて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう松茸のやうに雪が深くかぶさつて淡い箱の中の光りは...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...みそ汁には松茸の薄切が浮んでゝ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...お土産の松茸(まつたけ)だのくりだのを皆にわけていたら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...御飯が吹きかけた時今の松茸を投げ込んで平生(へいぜい)よりも蒸らし方を長くしておきますと松茸の香気が失(う)せないで味も結構です...
村井弦斎 「食道楽」
...また松茸(まつたけ)やしめじが出はじめたとか...
山本周五郎 「はたし状」
...初茸、松茸、椎茸、木くらげ、白茸、鴈(がん)茸、ぬめり茸、霜降り茸、獅子茸、鼠茸、皮剥ぎ茸、米松露、麦松露なぞいうきのこ連中がある夜集まって、談話会を始めました...
夢野久作 「きのこ会議」
...初茸が立ち上って挨拶をしました...
夢野久作 「きのこ会議」
...わたしの袂(たもと)に入(はひ)つてたきちがひ茄子(なす)と笑ひ茸(たけ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...社会的に成立している茸の価値を彼は教え込まれたのである...
和辻哲郎 「茸狩り」
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