...我等と同じように茸訪問に遊ぶやからが悪戯(いたずら)にするか...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...年々秋になると尊きあたりの茸狩りに御出になることがあるのである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...一度は一軒置いてお隣りの多宝院の納所(なっしょ)へ這入り坊さんのお夕飯に食べる初茸(はつたけ)の煮たのを摘(つま)んでいるところを捕(つか)まえました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「食」とある茸は何でも食べてみた...
高村光太郎 「山の秋」
...それから塩漬けの茸か茴香(ういきょう)漬けの胡瓜をちょっとつまんで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...茸がひょくひょく煮えくりかえる...
中勘助 「島守」
...ほんとに困ってしまう」「その椎茸(しいたけ)みたような頭が気に入らねえんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...茸狩(きのこがり)か...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで、先晩は、専(もっぱ)ら下原宿の嘉助の娘のお蘭の出世が話題となり、後ろに聞いていたがんりきの百を大いにむずがゆがらせたが、今晩もあの調子で、「時に、市場でも難儀が降って湧いてのう、あの娘(あま)っ子(こ)、まだ身性(みじょう)がわからんかいのう」「まだわからんちうがのう、困ったもんじゃのう、なんでも市場の世話役は、勧賞(けんじょう)つきで沙汰をしおるちうが、つきとめた者には二十両というこっちゃ」「二十両――このせち辛い時節に、えらい掘出しもんじゃのう」「市場連も、勧賞と聞いた慾の皮の薄いわいわい連も血眼(ちまなこ)じゃがのう、明日の九ツまで見つからんと、あの市場総体が欠所を食うじゃろうて」「何してもそれは気の毒なこっちゃ、勧賞はどうでもいいが、市場連を助けてやりてえもんじゃのう」「一骨折っちゃ、どうでごんす」「さあ、当番でなけりゃ、何とか一肌ぬいでみようがなあ、いったい、手がかりはあるのかや、物怪変化(もののけへんげ)が、木の葉をもって買いに来たわけじゃあるまいからのう」「物怪変化じゃねえさ、ちゃんと世間並みの鳥目(ちょうもく)を払って、小豆と、お頭附きと、椎茸(しいたけ)、干瓢(かんぴょう)の類を買って行かれた清らかな娘(あま)ッ子(こ)じゃげな――払ったお鳥目も、あとで木の葉にもなんにもなりゃせなんだがな」「小豆と、お頭附きと、椎茸、かんぴょうを買うて行ったんや、何かお祝い事じゃろう」「どんなもんじゃろう」「わしゃ思いまんなあ、その娘ッ子、山家(やまが)もんじゃごわせんぜ」「だが、合羽、かんじき、すっかり山家者のいでたちじゃったということじゃ」「でも、山家者なら椎茸なんざあ買いやしませんがな」「はてな」「木地師(きじし)の娘ッ子じゃござらんか」「木地師の娘ッ子なら、たんと連れ合うて来るがな、一人で来るということはごわせんわい、それに、木地師の娘ッ子ならお尻が大きいわいな」「土地ッ子ではなし、よそから奉公に来ている娘ッ子という娘ッ子はみんな人別を調べてみたが、当りが無いというこっちゃ」「何とかならんもんかなあ」「明朝九ツまでにわからんと、首ととりかえせんじゃがなあ」「そうじて泣く子と地頭にゃ勝たれんわな...
中里介山 「大菩薩峠」
...日頃大好な茸飯(たけめし)にも手をつけないので...
夏目漱石 「明暗」
...お尻に茸(きのこ)が生えて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天ぷらにかしわと松茸の煮たのってふ風に脂こいものを出して呉れるが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...松茸が浮いてるんで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それは丁度茸の字をキノコに誤用しているのと同一轍である...
牧野富太郎 「植物記」
...張子の松茸おお軽い(下略)」もちろんここは大津絵の節ではなく...
正岡容 「下町歳事記」
...汁は「すまし」にて椎茸(しいたけ)と蕪菜(かぶらな)の上に卵を一つ落しあり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...生椎茸の揚物など...
横光利一 「旅愁」
...では何が茸の価値とその区別とを子供に知らしめたのであろうか...
和辻哲郎 「茸狩り」
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