...御菜三種して平茸の汁にて」猫間黄門にすゝめたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...そうして晩秋に生まるる茸だけしっかりした形を保って中々腐れようとしない...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...大沢から畠山、岩茸岩、野口と、長蛇の列はえんえんと続いた...
石川欣一 「針の木のいけにえ」
...その名の通り見た眼には恐ろしい茸で...
高村光太郎 「山の秋」
...冬は聴覚のシーズンといへるやうに――早く松茸で一杯やりたいな...
種田山頭火 「行乞記」
...獵師と岩茸(いはな)採りと鑛山師と熊と岩魚(いはな)とを持つた栗山十三郷の山村を……...
田山花袋 「日光」
...能く見るとそれは茸であつた...
長塚節 「痍のあと」
...初めて見るような茸の類が出てくることもある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...初茸(はつたけ)が籠(かご)一杯とれるのにと残念がってくれた...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...あとはチーフ任せで松茸飯みたいなもの...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...彼女の幼時の寫眞の古い茸のやうな色がひとりでに溜つてくるやうだつた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...松茸は赤黄緑紫灰色とりどりに鮮明な絵具をぬられてくつきりと水玉の斑点を意匠に散らした寸にもたらないもので...
三好達治 「オルゴール」
...その次に松茸がエヘンと咳払いをして演説をしました...
夢野久作 「きのこ会議」
...葱は上州から、人参は京都、海苔は大森、椎茸は伊豆、と一流品の出所まで精しく話した後、ここの鴨だけは芸術品になっているとまで、ついにそのあたりから東野の説明も少少うるさくなって来た...
横光利一 「旅愁」
...利根山奥の低(ひく)き所(ところ)は山毛欅帯に属(ぞく)し、高(たか)きは白檜帯に属す、最高なる所は偃松帯に属(ぞく)すれども甚だ狭(せま)しとす、之を以て山奥の入口は山の頂上に深緑色の五葉松繁茂(はんも)し、其他は凡て淡緑色の山毛欅樹繁茂す、山奥の深(ふか)き所(ところ)に至(いた)れば黒緑色の白檜山半以上に茂(しげ)り、其以下は猶山毛欅樹多し、故に山々常に劃然(くわくぜん)として二分せられ、上は深緑、下は淡緑、其景実(じつ)に画(えが)くが如きなり、此他石南樹、「ななかまど」「さはふたぎ」、白樺、楢類等多しとす、草類に於ては「わうれん」、「ごぜんたちばな」、「いはべんけいさう」、「まひづるさう」、「まんねんすき」、「ひかげのかづら」、毛氈苔、苔桃、「いはかがみ」、「ぎんらんさう」、等多し、菌類に於ては「みの茸」、まひ茸、黒ほざ茸、す茸、「こぼりもだし茸」、等食すべきもの実(じつ)に多し...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...子供にとって茸の担っていた価値はもっと複雑な区別を持っているのであるが右にあげただけでもそう単純なものではない...
和辻哲郎 「茸狩り」
...その茸の国で知人に逢う喜びに胸をときめかせつつ...
和辻哲郎 「茸狩り」
...彼に茸の価値を教えたのである...
和辻哲郎 「茸狩り」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??