...私が夕方ひとりで茱萸をとってたべていたら...
太宰治 「女生徒」
...彼は茱萸の枝に着物の裾を引つかけながらすぐ傍へと行つた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...彼は茱萸(ぐみ)の枝に衣(きもの)の裾(すそ)を引っかけながらすぐ傍へ往った...
田中貢太郎 「蟇の血」
...バスを待ちわびてゐる藤の花(小郡から大田へ)曲つて曲る青葉若葉( 〃 )ぎつしり乗り合つて草青々( 〃 )□苺ほつ/\花つけてゐた(伊東君に)つゝましく金盞花二三りん( 〃 )襁褓干しかけてある茱萸も花持つ( 〃 )逢うてうれしい音の中( 〃 )□鳴いてくれたか青蛙(或る旗亭にて)葉桜となつて水に影ある( 〃 )たそがれる石燈籠の( 〃 )□きんぽうげ...
種田山頭火 「行乞記」
...余り食べつけない茱萸(ぐみ)でも口にするやうな野趣があつた...
徳田秋聲 「浪の音」
...山茱萸(さんしい)は黄色の花ざかり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...呉茱萸(ごしゅゆ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...よく熟れた茱萸(ぐみ)のようで...
野村胡堂 「百唇の譜」
...一方の腕をたくみに水の上にのばせてゐる茱萸の樹の枝から枝へ吊つたハムモツクで...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...しかし茱萸は呉茱萸が主品である...
牧野富太郎 「植物記」
...我邦人が旧(ふる)くから茱萸をグミと訓ずるのは固より誤りである...
牧野富太郎 「植物記」
...茱萸もまた同じ者と思い違いをしてこれをグミだとしたものであろう...
牧野富太郎 「植物記」
...そして呉茱萸でも食茱萸でも何れもグミの様な実は生らぬ...
牧野富太郎 「植物記」
...茱萸ハ此日ニ到テ気烈ニシテ熟シテ色赤ク其房ヲ折テ以テ頭ニ挿ムベシ悪気ヲ辟テ冬ヲ禦グト云フ(漢文)とある...
牧野富太郎 「植物記」
...その茱萸というのがわからぬので...
正岡子規 「くだもの」
...茱萸(ぐみ)とか茄子(なす)の木とかの...
柳田国男 「年中行事覚書」
...暑いのに山遊びかね」七十郎は帯刀の持っている茱萸の枝を見...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...梅から柿梨茱萸(ぐみ)のたぐひまで植ゑ込んである...
若山牧水 「梅雨紀行」
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