...保吉はひっそりした据え風呂の中に茫然と大きい目を開(ひら)いた...
芥川龍之介 「少年」
...私もただ茫然として吐息を吐いていたのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...茫然とした驚きの中に...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...どちらが本当だ?」笹尾は茫然として矢島さんの顔を眺めた...
豊島与志雄 「過渡人」
...私の茫然とした目にも見えた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...茫然とそこに佇むばかりだった...
豊島与志雄 「囚われ人」
...洋造は茫然とするばかりだった...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...何思うともなく唯茫然として...
永井荷風 「日和下駄」
...私たちはただ茫然とそれを見つめて立っていた...
永井隆 「長崎の鐘」
...唯もう平次は茫然として...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...安兵衛 (茫然として縁側に腰かけ)婆さんや...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...彼は茫然として万年筆のペン先を視詰める...
原民喜 「火の踵」
...と声をのんで茫然としているうちに...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...名器「玉山」を盗まれた哲也は茫然と歌寿の家にやって来てたが帰って行く音絵の姿を見ると...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...新助は、茫然とした...
吉川英治 「新書太閤記」
...茫然と立っている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「…………」撲りくたびれると、又八は血刀をさげたまま、茫然と、血の酔いから醒めかけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「これ!伜(せがれ)!」「あっ?」「伜」「…………」「伜……」郁次郎は、思いがけない父の姿を見て、白痴みたいに、ただ茫然とした...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??