...李は五感を失った人のように、茫然として、廟の中へ這いこんだ...
芥川龍之介 「仙人」
...爲す事もなく茫然として机に憑(よ)り居しが...
高山樗牛 「瀧口入道」
...最初に先(ま)ず茫然としてしまって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...茫然として、私はそれにも聞き入るのである...
種田山頭火 「其中日記」
...両の眉は茫然と放たれ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...どちらが本当だ?」笹尾は茫然として矢島さんの顔を眺めた...
豊島与志雄 「過渡人」
...夫は耳が聾したように茫然としていた...
中島敦 「南島譚」
...そしてしばらく茫然と...
中島敦 「プウルの傍で」
...果(はて)は自分の名誉に関係(くわんけい)する様な事が出来(しつたい)したりしたら何(ど)うする気だ」代助はたゞ茫然として父(ちゝ)の顔(かほ)を見てゐた...
夏目漱石 「それから」
...時計古いさびしい空家の中で椅子が茫然として居るではないか...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...茫然として轅棒(かじぼう)の先で子供の波を押分けて行くように見える車の影を見送っていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...私は其行方を眺めて茫然としていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...遂に茫然として為す所を知らず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...茫然とおのれをふりかえっている寂しい孤独感だった...
山本周五郎 「新潮記」
...往来のマン中に突立ったまま暫くの間、茫然と、その煙突の絶頂の避雷針を見上げていた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...茫然としている自分を感じた...
横光利一 「上海」
...光秀がまだ茫然と腰が抜けたように坐っているところへ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「……?」朱実はまた、その虚無僧の顔を、茫然と見ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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