...茫然とそこへ立ちすくんでしまった...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...唯茫然と口を開きながら...
芥川龍之介 「地獄変」
...残された僕ら二人は茫然となり...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...私もただ茫然として吐息を吐いていたのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...外套の襟の中に埋るようになって茫然と往来を眺めながら...
寺田寅彦 「障子の落書」
...茫然と見開いた眼には...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...茫然として見送っておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ茫然と猛禽の子を抱いたまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は茫然として暫く佇立(ちょりつ)した...
中島敦 「南島譚」
...そしてしばらく茫然と...
中島敦 「プウルの傍で」
...障子をあけて此美しい空に茫然とした...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...僕は茫然とする...
原民喜 「鎮魂歌」
...彼は窓に倚って茫然と暮れかかる巴里(パリー)の空をながめていたが...
久生十蘭 「黒い手帳」
...私は泉水に眼を放つて茫然と煙草を喫(ふか)してゐた...
牧野信一 「或る日の運動」
...甲斐は茫然とくびじろを眺めていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...茫然――つい茫然と聞き惑っていた...
吉川英治 「三国志」
...彼らは毒を嚥(の)んだ死骸を見て茫然とするだけだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...そして今はわずか、四十四、五人となり果てた末路の人々は、途方に暮れている勝頼ひとりをなお杖とも柱とも恃(たの)んで、ひと所に寄り添うたまま、茫然と、吹く山風の中に佇(たたず)み合った...
吉川英治 「新書太閤記」
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