...茫漠とした未来が心配だ...
...彼女の目には茫漠とした不安が浮かんでいた...
...無限の大地が私の前に茫漠と広がっていた...
...その政策にはまだ茫漠とした問題が残っている...
...茫漠とした夢の中で、私は彼女とともに旅をしていた...
...戟を横へて茫漠たる信の山川に其勇を競はむとす...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...同時にまた不吉な予感と茫漠とした一種の責任感とが...
芥川龍之介 「疑惑」
...ただ一面の茫漠とした沼地であった...
伊藤野枝 「転機」
...かの茫漠(ぼうばく)たるステッペンやパンパスを漂浪する民族との比較を思い浮かべるときにこの日本の地形的特徴の精神的意義がいっそう明瞭(めいりょう)に納得されるであろうと思われる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...彼の茫漠たる風貌がよく見られた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...一条の明るみが現われて茫漠(ぼうばく)たるうねりをなした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...極めて茫漠たる野が...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...その点になると敬太郎は依然として茫漠(ぼうばく)たる雲に対する思があった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ただ茫漠(ぼうばく)たる単調を破るための色彩としか思われなかった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...とらへどころなく茫漠としてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...人気のない茫漠とした処へ行つてみたくなるのだ...
林芙美子 「瀑布」
...居着いた借家――それは今も彼の棲(す)んでいる家だったが――は海の見える茫漠(ぼうばく)とした高台の一隅にあった...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...茫漠とした観念のやうに横はってゐた...
原民喜 「舌」
...泥海と茫漠(ぼうばく)たる野づらの涯(はて)しなくつづくそこの土地の妖(あや)しい空気をすぐ外に感じながら...
原民喜 「冬日記」
...変に茫漠(ぼうばく)とした...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...再び茫漠と煙つた...
牧野信一 「眠い一日」
...何らの景色なるか何らの人事なるか茫漠(ぼうばく)として読者に知れがたき者多し...
正岡子規 「俳諧大要」
...我をして医師たらしめば我は病理を研究して茫漠(ぼうばく)たる治療術の基礎を固めん...
正岡子規 「病牀譫語」
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