...茫漠とした未来が心配だ...
...彼女の目には茫漠とした不安が浮かんでいた...
...無限の大地が私の前に茫漠と広がっていた...
...その政策にはまだ茫漠とした問題が残っている...
...茫漠とした夢の中で、私は彼女とともに旅をしていた...
...我等が茫漠として自ら空虚なるとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...幽谷の闇の曙(あけぼの)にめざめて偉大なる茫漠の胞衣(えな)をむかへる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...彼はまさしくその茫漠とした果しないものの中に身体ごと足を踏みこんでゐるのを...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...茫漠たる焼野に建物が建つたためには...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...暗い部屋が茫漠(ぼんやり)手元の灯に照らされた時...
夏目漱石 「門」
...暗(くら)い部屋(へや)が茫漠(ぼんやり)手元(てもと)の灯(ひ)に照(て)らされた時(とき)...
夏目漱石 「門」
...更に足一たび亜細亜(アジア)に向えばそこに茫漠たる大陸を占むるの余地あり...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...茫漠たる曠野と、怪奇を極めた岩山と、ゴティクとアラビクのまざり合つた異樣な樣式の建物と、エル・グレコとゴヤとヴェラスケスの繪畫と、女・男の美しい顏と粗末な風裝と、内亂の悲慘を物語る破壞と焦土と、塹壕とトーチカと、彈丸の缺けらと鐵條網と、血痕と墳墓と、……そんなものが二重映し三重映しになつて視覺から離れなかつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...泥海と茫漠(ぼうばく)たる野づらの涯(はて)しなくつづくそこの土地の妖(あや)しい空気をすぐ外に感じながら...
原民喜 「冬日記」
...野生の雑草が繁った茫漠(ぼうばく)とした草原の中に...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...こういう茫漠たる大自然の中へとりこめられてしまうと...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...茫漠と煙った海原に降り注いでいる太陽の明るさなどを見ていると...
北條民雄 「いのちの初夜」
...相当茫漠としているし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々はあの医学的誤謬の茫漠たる海原のまん真中で途方にくれてしまうであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あれに比べるとなお一段と茫漠(ぼうばく)としていて...
柳田国男 「海上の道」
...突如として茫漠(ぼうばく)の中に入ってしまうのだが...
柳田国男 「山の人生」
...茫漠たる知識しかもっておらぬのである...
柳田国男 「雪国の春」
...茫漠、つかみどころのない気もする...
吉川英治 「私本太平記」
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