...茫漠とした未来が心配だ...
...彼女の目には茫漠とした不安が浮かんでいた...
...無限の大地が私の前に茫漠と広がっていた...
...その政策にはまだ茫漠とした問題が残っている...
...茫漠とした夢の中で、私は彼女とともに旅をしていた...
...どこからどこまでも区切のない茫漠(ぼうばく)たる一面の焼け武蔵野ヶ原であったけれど――この原庭と思われる辺に来て...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...彼女にくらべると私は実に茫漠として濁つてゐる事を感じた...
高村光太郎 「智恵子抄」
...That Derby Day視野のかぎり茫漠たるゆるい芝生の起伏に...
谷譲次 「踊る地平線」
...杉本は一層茫漠たる様子で...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...茫漠とした安心の色を少し加えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...茫漠(ぼうばく)たる輪廓中の一小片を堅固に把持(はじ)して...
夏目漱石 「イズムの功過」
...茫漠たる曠野と、怪奇を極めた岩山と、ゴティクとアラビクのまざり合つた異樣な樣式の建物と、エル・グレコとゴヤとヴェラスケスの繪畫と、女・男の美しい顏と粗末な風裝と、内亂の悲慘を物語る破壞と焦土と、塹壕とトーチカと、彈丸の缺けらと鐵條網と、血痕と墳墓と、……そんなものが二重映し三重映しになつて視覺から離れなかつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...何者も眼の前に見えない茫漠たる景色に接した私と倉田君とは...
濱田耕作 「埃及雜記」
...とらへどころなく茫漠としてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...砂丘まじりの地表が茫漠とひろがり...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...君は覚ってくれなかった」真名古は一種茫漠たる表情を泛べながら穴の明かんばかりに総監の面を注視していたが...
久生十蘭 「魔都」
...喧嘩はせんで行こうや」そんな茫漠とした言葉が...
火野葦平 「花と龍」
...茫漠とした武蔵野の煙つたやうな美しさも望まれた...
北條民雄 「間木老人」
...我をして医師たらしめば我は病理を研究して茫漠(ぼうばく)たる治療術の基礎を固めん...
正岡子規 「病牀譫語」
...よほど茫漠(ぼうばく)として把捉しがたいものになってしまうのである...
柳田國男 「垣内の話」
...老人の話は茫漠として取止めのない断片であって...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...茫漠とした気宇が横溢してゐる...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
...――それは茫漠たる大陸の気分を思わせるよりも...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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