...彼は茫乎とした表情を浮かべた...
...茫乎とした未来に不安を感じる...
...彼女の話には茫乎としていて、何を言っているのか分からなかった...
...茫乎たる状況で正しい選択肢を見つけるのは難しい...
...彼は茫乎としたまま時間だけが過ぎていった...
...時として少し頭が茫乎(ぼう)として來る事がある...
石川啄木 「硝子窓」
...すべてそれらの凶暴な高地は茫乎(ぼうこ)と現われきたって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私の申出しはこの茫乎漠然たるものを歴史的の研究で...
夏目漱石 「創作家の態度」
...今の文壇は悲しむべき状況の下(もと)に呻吟してゐるんではなからうかと考へて茫乎(ぼんやり)した...
夏目漱石 「それから」
...「相変らず茫乎(ぼんやり)してるじゃありませんか」と調戯(からか)った...
夏目漱石 「それから」
...今の文壇は悲しむべき状況の下に呻吟(しんぎん)しているんではなかろうかと考えて茫乎(ぼんやり)した...
夏目漱石 「それから」
...四面は茫乎(ぼんやり)して居るのです...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...只幾分か頭脳が茫乎(ぼんやり)して来まして所謂軽度の意識溷沌(こんとん)に陥り追想力が失われる様で有ります...
西尾正 「陳情書」
...回顧いたしますれば茫乎として一瞬の夢の如くでもあります...
久生十蘭 「魔都」
...茫乎(ぼうこ)としてこれを求(もとむ)るに難(かた)きものあるべし...
福沢諭吉 「旧藩情」
...茫乎(ぼんやり)箸を休めて殺された婆さんの事を考えていた...
松本泰 「秘められたる挿話」
...悪夢を見ている人のようにただ茫乎(ぼんやり)としたまま坐っていたが...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...茫乎(ぼんやり)として何時(いつ)までも絵姿の面(おもて)に見入っています――此の後姿を眺めていた呉羽之介は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...過去世に人間の遠祖が当身(そのみ)巨大怪異の爬虫輩の強梁跋扈(きょうりょうばっこ)に逢った事実を幾千代後の今に語り伝えて茫乎(ぼうこ)影のごとく吾人の記憶に存するものが竜であるという説のみでは受け取れず...
南方熊楠 「十二支考」
...茫乎(ぼんやり)と時を過した...
室生犀星 「三階の家」
...二つながら茫乎たらざるをえず(ティトゥス・リウィウス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...茫乎(ぼう)として佇(たたず)んでいる間に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「茫乎として暗澹たる」シナの風物をおもしろがっている...
和辻哲郎 「享楽人」
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