...彼は茫乎とした表情を浮かべた...
...茫乎とした未来に不安を感じる...
...彼女の話には茫乎としていて、何を言っているのか分からなかった...
...茫乎たる状況で正しい選択肢を見つけるのは難しい...
...彼は茫乎としたまま時間だけが過ぎていった...
...時として少し頭が茫乎(ぼう)として來る事がある...
石川啄木 「硝子窓」
...ただ一面に茫乎としているのだ...
豊島与志雄 「春盲」
...茫乎(ぼんやり)として...
直木三十五 「南国太平記」
...両肱(ひぢ)を突(つ)いて茫乎(ぼんやり)考へた...
夏目漱石 「それから」
...今の文壇は悲しむべき状況の下(もと)に呻吟してゐるんではなからうかと考へて茫乎(ぼんやり)した...
夏目漱石 「それから」
...「相変らず茫乎(ぼんやり)してるじゃありませんか」と調戯(からか)った...
夏目漱石 「それから」
...四面は茫乎(ぼんやり)して居るのです...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...只幾分か頭脳が茫乎(ぼんやり)して来まして所謂軽度の意識溷沌(こんとん)に陥り追想力が失われる様で有ります...
西尾正 「陳情書」
...見かけは茫乎(ぼうこ)としてつかまえどころがないが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...回顧いたしますれば茫乎として一瞬の夢の如くでもあります...
久生十蘭 「魔都」
...茫乎(ぼんやり)箸を休めて殺された婆さんの事を考えていた...
松本泰 「秘められたる挿話」
...其の間にだん/\氣が茫乎(ぼんやり)して來て...
三島霜川 「水郷」
...過去世に人間の遠祖が当身(そのみ)巨大怪異の爬虫輩の強梁跋扈(きょうりょうばっこ)に逢った事実を幾千代後の今に語り伝えて茫乎(ぼうこ)影のごとく吾人の記憶に存するものが竜であるという説のみでは受け取れず...
南方熊楠 「十二支考」
...又何となくふしぎに目のとどくところに茫乎(ぼう)とした影が...
室生犀星 「後の日の童子」
...茫乎(ぼうっ)としていらっしゃるじゃないの...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...遠い方をばとりとめのない茫乎(ぼんやり)したものにさせてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...茫乎とした気持になっていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...「茫乎として暗澹たる」シナの風物をおもしろがっている...
和辻哲郎 「享楽人」
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