...茫々とした月夜(つきよ)の水ばかりだ...
芥川龍之介 「奇遇」
...茫々とした草の中から...
泉鏡花 「遺稿」
...何処まで行っても茫々とした朧月夜の湖で...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...すぐに庭下駄をひつかけて茫々とした磧へ出られた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...見当もつかない茫々とした遠い道筋の事を考へたのですが...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...茫々とした二人の鮮人の頭の上に星が光っていて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...茫々とした霞(かすみ)の中に私は神様の手を見た...
林芙美子 「新版 放浪記」
...いつの間にか茫々とした秋の景色だった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...」二人共又おしだまって向うの向うの寒い茫々とした海を見た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...廃墟の死骸や狂犬やあらゆる不安と溶けあつてゐる茫々とした夜路をふらふらと僕は駅の方へ歩いて行つた...
原民喜 「飢ゑ」
...茫々とした草原に細い白い路が走っていて...
原民喜 「美しき死の岸に」
...干乾(ひか)らびた轍(わだち)の跡と茫々とした枯草が虚無のように拡(ひろが)っていた...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...茫々とした叢がある...
原民喜 「魔のひととき」
...茫々とした池の面が...
久生十蘭 「西林図」
...茫々としたいら草の間にその小さい円い口は光りを放ち...
宮本百合子 「金色の口」
...畷や畔の何もない茫々とした田園には...
横光利一 「欧洲紀行」
...遠くの荒れた茫々とした空地の雜草の中で...
横光利一 「妻」
...荒れはてて茫々とした草原に見えてゐたのである...
横光利一 「榛名」
便利!手書き漢字入力検索