...茫々たる黄茅(くわうばう)に蔽(おほ)はれて...
芥川龍之介 「芋粥」
...茫々たる大虚に浮んだ他の地球上のナポレオンは同じマレンゴオの戦に大敗を蒙(かうむ)つてゐるかも知れない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...秋ふかき隣は何をする人ぞかう云ふ荘重の「調べ」を捉(とら)へ得たものは茫々たる三百年間にたつた芭蕉一人である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...茫々たる平野の末遠く...
大町桂月 「鹿島詣」
...ただ茫々たるものである...
太宰治 「お伽草紙」
...べし三章一、茫々たるべし...
種田山頭火 「其中日記」
...赤沢あたりから海岸の風景が殊によろしくなる、茫々たる海、峨々たる巌、熱川温泉に安宿があるといふので下つて行つたが断られた、稲取へ暮れて着いて宿をとつてほつとした、行程八里強...
種田山頭火 「旅日記」
...環海は何ぞ茫々たる...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...自分は茫々たる大海原の水の色のみ大西洋とは驚く程異(ちが)つた紺色を呈し...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...茫々たる薄明の野原の真中で急停車した...
久生十蘭 「川波」
...日没に及んで茫々たる墓場にさしかかれり...
宮崎湖処子 「空屋」
...町は茫々たる焼け野原となり...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...精神的にも物質的にも茫々たる不毛の国土を開拓して...
夢野久作 「鼻の表現」
...最も美妙に動き續けて茫々たる空の倦怠を破つてゐた妻の形が...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...渇れ果てゝ茫々たる野になつた...
横光利一 「静かなる羅列」
...前途の茫々たる悩みがあった...
吉川英治 「三国志」
...いったい将来の天下はどうなるだろう」「茫々たる天数...
吉川英治 「三国志」
...草茫々たる空閑地であり...
吉川英治 「平の将門」
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