...今は茅萱に埋もれて...
泉鏡花 「遺稿」
...今は茅萱(ちがや)に埋もれて...
泉鏡花 「遺稿」
...堤は茅萱や蓬や八重葎で青々と蔽われていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...夏蝶のひらひらと茅萱(かや)の上を飛んでいるのも涼しげな趣きに見えた...
高浜虚子 「別府温泉」
...續いてつばな(茅萱の穗)や蕨取り等に野山を馳け廻る...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...其處(そこ)に茂(しげ)つた茅萱(ちがや)を燒(や)いて焔(ほのほ)が一條(でう)の柱(はしら)を立(た)てると...
長塚節 「土」
...石燈籠夜あけになるまで灯がとぼる小鳥の巣チン チクバン チク茅萱(ちがや)の根小鳥がはこんで巣を作るチン チクバン チク小鳥の巣小鳥の子鳥(ピヨツピヨ)がすんでゐるお供のすきな犬おるすゐ するならワンワン ほえな...
野口雨情 「未刊童謡」
...鎌の刃の白く光ればきりぎりす茅萱を去りて蓬生に啼くこのきりぎりすも昼鳴く虫で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...茅萱(かや)が小径(こみち)の方へ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...こちらは、五助、どんより曇って、月もない、杜下径(もりしたみち)、茅萱のなびいた、蔭につれ込むと、小声になって、「甚太郎――話と申すはな――」正直な男、「は、何でござりまするで――」と、前屈みに、身を寄せた瞬間!――シュッ!と、いうような、かすかな音がしたのは、抜き討ちの一刀が、鞘(さや)ばしった響き――――ピュウッ!と、刃風が立って、ズーンと、この無辜(むこ)の庶民の、肩さきから、大袈裟に、斬り裂いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...蛇に逢いて蛇がにげぬ時「天竺の茅萱(ちがや)畑に昼寝して...
南方熊楠 「十二支考」
...茅萱(ちがや)の音や狐の声に耳を側(そば)たてるのは愚かなこと,すこしでも人が踏んだような痕の見える草の間などをば軽々(かろがろ)しく歩行(ある)かない...
山田美妙 「武蔵野」
......
横瀬夜雨 「花守」
...身を隠すばかりな茅萱(ちがや)などの間をザクザクとかき分けて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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若山牧水 「小さな鶯」
...あたりに立っている松の木も茅萱(ちがや)の穂も全く現代のものではない様な杳かな杳かな心地になって来るのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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