...広いさびしい一面の蘆の茂みばかりだ...
伊藤野枝 「転機」
...それを塀の内側の茂みの中へ投げ込んでおいて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...黄色い暖い光りは富める家の奧深い茂みを越しておしやべりに夢中で裏手の往來を行く同じ年頃の氣の合つた四人の若い女工の白い顏や地味な姿にはつきりと照りつけて鳩の胸から出るやうな感嘆の聲を發さしめた...
千家元麿 「自分は見た」
...椿の茂みをくぐって...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...葦の茂みはひそと静まり返っていて...
豊島与志雄 「ものの影」
...葦の茂みのそばの燃やし火も直ちに消し止められていた...
豊島与志雄 「ものの影」
...楡(にれ)の茂みのうちにわずかに見えていた一つの馬車が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...茂みの中に進んでいった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...木の茂みがその辺はことに厚く...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...目は庭前の槐樹(えんじゅ)の茂みに向かってしばらくはいたが...
中島敦 「李陵」
...その亭の庭にも草木(さうもく)茂み風ふき渡りてばうばうたれどもかのふるき待たれびとありやなしや...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...板小屋の不動堂とその後に寒竹の茂みのある幽邃(ゆうすい)な一区域になって...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...その品物がその前には茂みのなかになかったからであり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...その茂みの中に一羽の小鳥が不安さうにあちこちと枝移りしてゐる...
堀辰雄 「雨後」
...私達の前にしている茂みにまで達し...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...藪の茂みへ落ちたんだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...芦の茂みに砂や土が溜まり...
山本周五郎 「青べか物語」
...たまらなくなって水浸(びた)しになるのを覚悟で葦の茂みのなかへ隠れこんだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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