...さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっとした殿のお誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目(はめ)に立到(たちいた)ったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀(りちぎ)な百姓の手に御養育いたさせたのだ...
秋田雨雀 「三人の百姓」
...二週間に余る苦心の末にそれはあらかたでき上がった...
有島武郎 「或る女」
...また予ねて苦心の末に手に入れた暁団の秘密を整理して当局に提出し...
海野十三 「獏鸚」
...発明者たる祐吉自身にさえ今でもちょいちょいは彼の苦心の末になった超短波長廻折式変調受信機の驚くべき能力が...
海野十三 「放送された遺言」
...これは博士が非常な苦心の末に発見した新式空気自発器で...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...苦心の末にながい間の復讐をとげた――そう考えた場合...
橋本五郎 「撞球室の七人」
...君はそれも私にさせないばかりか苦心の末に作ったビスムチルの溶液までこぼしてしまったではないか...
横光利一 「機械」
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