...彼は毎晩、苦吟しながら詩作に励んでいる...
...昨日の歌合戦で、彼女は苦吟の名手として活躍した...
...彼は苦吟を趣味にしている...
...テレビ番組で苦吟の作り方を教えてくれた...
...禅房の一室夜いたくも更け渡りて孤燈沈々たる時、我ひとり冷えたる苦茗(くめい)を啜(すす)つて、苦吟又苦吟、額に汗を覚ゆる惨憺の有様を、最も同情ある顔付して柱の上より見守りたるもこの帽子なり...
石川啄木 「閑天地」
...苦吟(くぎん)を繰返した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...何かしら不可解な疑点を認めそうしてその闡明(せんめい)に苦吟するということが...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...詩人が存外の苦吟をするのであることも分つてゐるのですから...
中原中也 「近時詩壇寸感」
...かなり神経をなやまし苦吟を要するのではないかと予想されました...
原民喜 「書簡」
...江戸の市中を騒がしているかまいたちの事件を苦吟中なのである...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...外相と局長と総監の四人が集まって苦吟した末...
久生十蘭 「魔都」
...五句を得るに非常の苦吟を感ずべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...故にこの題を詠ずる者は甚だ苦吟し...
正岡子規 「俳諧大要」
...眼を閉て苦吟し句を得て眼を開く...
正岡子規 「俳人蕪村」
...病床に苦吟しつつ...
吉川英治 「三国志」
...お互い久しい苦吟(くぎん)の後...
吉川英治 「私本太平記」
...そちの使いでも、言葉だけではなお、これほどな大事、なかなか信じぬかもしれぬ」と、机の上の禅書に、目をおとしていたが、やがて朱筆をとって、その禅書の文字の諸所に、朱点を打ったり、棒を引いたり、また欄外に書き入れするなど、苦吟、長いことかかって、「これでよい」と、やっと筆をおいた...
吉川英治 「私本太平記」
...しばし風流陣の苦吟に遊んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...ときはいま天(あめ)が下知(したし)る五月(さつき)かなと、光秀が発句(はっく)すると、水上(みなかみ)まさる庭の夏山と、威徳院の行祐がつけ、次に紹巴が、花落つる流れの末を堰(せき)とめてと、詠(よ)み、以下、風は霞(かすみ)をふき送る風宥源(ゆうげん)春もなほ鐘の響や冴(さ)えぬらむ昌叱(しょうしつ)片敷(かたし)く袖はありあけの霜心前うら枯れになりぬる草の枕(まくら)して兼如(けんにょ)聞(きく)に馴(なれ)たる野べの松虫行澄などとあって終りに心前の、色も香も酔(ゑひ)をすすむる花の下なる詠(えい)に対して、光秀が苦吟の末、国々はなほ長閑(のどか)なる時と附けて百韻を結んだといわれている...
吉川英治 「新書太閤記」
...いつも苦吟して、難路をよじ登っている状態の方がどうもぼくの健康にはよいようである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...苦吟の態(てい)にしておく...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そして、家にあれば必ず、四畳半の山紫水明処に籠(こも)って、揮毫(きごう)か、苦吟か、でなければ、二十余年間の心血を傾けてきた厖大(ぼうだい)な日本外史の草稿の中に埋もれて、その校筆に夜を徹(てっ)した...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??