...彼は毎晩、苦吟しながら詩作に励んでいる...
...昨日の歌合戦で、彼女は苦吟の名手として活躍した...
...彼は苦吟を趣味にしている...
...テレビ番組で苦吟の作り方を教えてくれた...
...世界に著(しる)き澎湃(ほうはい)たる怒濤が死ぬに死なれない多感の詩人の熱悶苦吟に和して悲壮なる死のマーチを奏する間に...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...苦吟(くぎん)を繰返した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...○前記天下茶屋の梅見の宴の後約一箇月半を経た三月晦日(つごもり)の夜八つ半時頃すなわち午前三時々分に「佐助は春琴の苦吟(くぎん)する声に驚き眼覚めて次の間より馳(は)せ付(つ)け...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...患者の診察にあたっては、いつでも温かく、例えば、とかく医者を業とする人達の中に、私事にふけって長々と患者をまたせたり、急患往診を場合によっては(相手にもより、時間にもよるが)渋ったり、あげくのはてには断るという、我がままな人がおおいようだが、高橋氏は、ただの一度も患者を落胆させたことはなく、どうせ行かなくてはならないのだし、行くからには一分一秒でも早く出かけて、患者をよろこばしてやろうと、病床に苦吟し、高橋氏の到来を待ちかねる患者の身になって終始した...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...詩人が存外の苦吟をするのであることも分つてゐるのですから...
中原中也 「近時詩壇寸感」
...彼の感動と苦吟が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かなり神経をなやまし苦吟を要するのではないかと予想されました...
原民喜 「書簡」
...故にこの題を詠ずる者は甚だ苦吟し...
正岡子規 「俳諧大要」
...その課題もし難題なれば作者は苦吟の余(あまり)見るに堪へざる拙句を為すこと...
正岡子規 「俳諧大要」
...苦吟して創作による時もある...
吉川英治 「折々の記」
...はてしなく私に苦吟してゐたそれが...
吉川英治 「折々の記」
...病床に苦吟しつつ...
吉川英治 「三国志」
...そちの使いでも、言葉だけではなお、これほどな大事、なかなか信じぬかもしれぬ」と、机の上の禅書に、目をおとしていたが、やがて朱筆をとって、その禅書の文字の諸所に、朱点を打ったり、棒を引いたり、また欄外に書き入れするなど、苦吟、長いことかかって、「これでよい」と、やっと筆をおいた...
吉川英治 「私本太平記」
...しばし風流陣の苦吟に遊んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...「御苦吟の体(てい)でございまするな」「発句か」「さればで」「いや...
吉川英治 「新書太閤記」
...ときはいま天(あめ)が下知(したし)る五月(さつき)かなと、光秀が発句(はっく)すると、水上(みなかみ)まさる庭の夏山と、威徳院の行祐がつけ、次に紹巴が、花落つる流れの末を堰(せき)とめてと、詠(よ)み、以下、風は霞(かすみ)をふき送る風宥源(ゆうげん)春もなほ鐘の響や冴(さ)えぬらむ昌叱(しょうしつ)片敷(かたし)く袖はありあけの霜心前うら枯れになりぬる草の枕(まくら)して兼如(けんにょ)聞(きく)に馴(なれ)たる野べの松虫行澄などとあって終りに心前の、色も香も酔(ゑひ)をすすむる花の下なる詠(えい)に対して、光秀が苦吟の末、国々はなほ長閑(のどか)なる時と附けて百韻を結んだといわれている...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、光秀が、苦吟のうちに、粽(ちまき)の皮を剥(む)かずに口へ入れたとか、或いは、紹巴へ向って、(本能寺の堀は、浅きか深きか)と訊ねたところ、紹巴が、(あら勿体(もったい)なし)と答えたとか、いかにも真(まこと)しやかではあるが、これらも乱後の噂にすぎまい...
吉川英治 「新書太閤記」
...苦吟の態(てい)にしておく...
吉川英治 「随筆 新平家」
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