...」これは山桃(やまもも)の鉢植(はちう)えを後ろに苦い顔をしていたペップの言葉です...
芥川龍之介 「河童」
...凝然(ぢつ)と眉間(みけん)に皺を寄せて苦い顔をしながら読んで居たが...
石川啄木 「病院の窓」
...』『然し君は大分苦い顔をして居るぜ...
石川啄木 「漂泊」
...で、苦い顔をして、「酒井さん、ここへ来なくちゃ不可(いか)んですよ...
泉鏡花 「婦系図」
...」総長は煙草の脂(やに)でも嘗(な)めさせられたやうな、苦い顔をして、その儘黙りこくつて了つた...
薄田泣菫 「茶話」
...苦い顔をして莨ばかり喫(ふか)していた...
徳田秋声 「黴」
...終わりごろから急に苦い顔をしだした...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ところが、この坊さんはラキーチンの頼みをアリョーシャに伝える前にパイーシイ主教に伝えたので、アリョーシャは元の席に帰ったとき、ただパイーシイ主教に手紙を読んで聞かせ、ほんの記録として報告するほかに、なすことがなかった、ところが、この峻厳(しゅんげん)にして、容易に人を信用しない僧侶でさえもが、『奇跡』の消息を読むと、苦い顔をして、心の中のある種の感情を全く押えることができなかったのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...米友もさすがに苦い顔をしていますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は苦い顔をして室(へや)の入口に手を突いた下女(げじょ)の方を顧みた...
夏目漱石 「道草」
...不安そうに苦い顔をしていた彼が...
夏目漱石 「道草」
...大蔵大臣のフリムナップもこの席に一しょに来ていましたが、どういうものか、彼はとき/″\、私の方を見ては、苦い顔をします...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...ポチョームキンは苦い顔をすると共に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...苦い顔をして机の前に坐り始めた...
牧野信一 「蝉」
...憂鬱とか苦い顔とか...
牧野信一 「浪曼的月評」
...やめろ」徹之助が苦い顔をした...
山本周五郎 「風流太平記」
...女の人は三重子を見ると苦い顔をして鬢を直した...
横光利一 「悲しめる顔」
...ちょっと苦い顔をして...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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