...苟(いやし)くも外国人にも窺はれる所は悉(ことごとく)看破するだけの気組みを持たなければなりません...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...全く一章句たりとも苟くもしない遲筆で...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...眼前の安楽や一日の苟安(こうあん)を貪る事無(ことな)かれ主義に腰を叩いて死慾(しによく)ばかり渇(かわ)いている...
内田魯庵 「四十年前」
...……苟(いやしく)も大臣の位置におるものは...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...苟も天下の憂に先達て憂うることを知るものなればなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...苟(いやしく)も有夫の女じゃないか...
田中貢太郎 「春心」
...此の如き苟且(こうしょ)の手段に依るに非ざれば以て仏教を保護する能はずとせば...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...他方は苟(いやし)くも人に許さず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...事を苟もせざるの真面目あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...苟(いやしく)も政治家が思想信念を以って世を導かんとするは大いに尊敬もし認識もしなければならぬという様の事を論じたのであったと思う...
中里介山 「生前身後の事」
...また苟且(かりそめ)の病に命を取られるような脆(もろ)い鍛錬のお方でもない...
中里介山 「大菩薩峠」
...苟(いやし)くも人に対して正坐する時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...苟(いやし)くも彼の郷土に存在する自然なら...
「『土』に就て」
...苟も其術を發見し得るまでは眞の平分は難かる可し...
西周 「尚白箚記」
...苟も其人を教えて事に慣れしむるときは...
福沢諭吉 「女大学評論」
...苟(いやしく)も歴史家たる身分に負(そむ)かないやうに...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...種痘は「一時苟且」の術に過ぎぬと云ふのであつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...人と苟(いやしく)も合うという事がない...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
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