...苛立ちもしたりけるが...
泉鏡花 「海城発電」
...苛立ちながら云った...
大阪圭吉 「坑鬼」
...振り向きもせずに苛立ち切った調子で癇声を張り上げた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...急に訳の分らない苛立ちを覚えて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...焦躁不安の余りの意欲の痲痺と神経の苛立ちからである...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...かすかな苛立ちで眉をひそめていた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...キミ子は中江の神経の苛立ちを気遣っては...
豊島与志雄 「立枯れ」
...私は嫉妬に似た苛立ちを覚えていたのです...
豊島与志雄 「肉体」
...何かしら或る苛立ちが...
豊島与志雄 「女客一週間」
...そうした苛立ちもあって...
豊島与志雄 「女客一週間」
...時々襲ってくる神経の苛立ちと興奮とを...
豊島与志雄 「反抗」
...百城は、足も動かさずに、巧みに、上半身を躱していたが、七瀬は、足許を乱して、百城の躱す巧みさと、自分の刀の短さとに、苛立ちながら、身体を浮かして、次の刀を、手いっぱいに――腰までも延し切って、斬りつけた途端――さっと、百城の身体が、沈むと、右手の鞘が、七瀬の両腕の下を、払い上げた...
直木三十五 「南国太平記」
...この家の細君はいつも何か烈しい苛立ちを身うちに潜めてゐた...
原民喜 「火の子供」
...どうしたらよかろうという苛立ちと当惑の色がたがいの眼差のなかにあった...
久生十蘭 「無月物語」
...苛立ちまぎれに髪の毛を引きむしつたりするが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そのために苛立ち焦燥し...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...発砲係りのことを考へると滝はもう凝つとして居られない位ゐな苛立ちを覚えました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...母親も心に苛立ちを見せながら目をこすったりした...
室生犀星 「後の日の童子」
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