...反ってお鳥には一層苛立たしさを与えるらしかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...だんだん受太刀(うけだち)になって来る彼女自身に対する苛立たしさでもあった...
芥川龍之介 「春」
...」「そうでしょうか?」僕はいつか苛立たしさを感じ...
芥川龍之介 「冬」
...それは彼女に対するよりもストオヴ一つ買うことの出来ないわたし自身に対する苛立たしさだった...
芥川龍之介 「夢」
...同時にまたこう云うことにも神経を使わずにはいられないわたし自身に対する苛立たしさだった...
芥川龍之介 「夢」
...この烈しい怒りと捉えどころのない憤おろしさ苛立たしさ迷惑さがごっちゃになって...
橘外男 「逗子物語」
...或る苛立たしさを以て...
豊島与志雄 「死ね!」
...買手が無ければ、陽が暮れるからのう」二人は、駕屋さえ居なかったなら、逃げ出すか、謝罪するか?――頭も、身体も、ただ、苛立たしさと、恐怖とが、燃えるように、感じられるだけで、何うする方法もなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...苛立たしさと一緒になって...
直木三十五 「南国太平記」
...灰色がかつた肩掛の端を右手の指先で苛立たしさうにまさぐつてゐるのであつた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...五日に一度は襲ひかかつて来るあのヒポコンデリアックな憂鬱と苛立たしさが何処から来るか...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...一方では苛立たしさうに...
北條民雄 「青年」
...僕は北の死んだことに妙な苛立たしさを感じはじめる...
堀辰雄 「眠れる人」
...妙な苛立たしさを感じずには居られなかつたと告白して居ります...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...匂ひだのを持つて行かれたやうな一種の苛立たしさを感じたといふ)などから推して見ましても...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...しかし私利私情から生れる胸の中の苛立たしさ激しさは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この膳のものを一皿一皿良人の口に押し込んでやりたい苛立たしさである...
矢田津世子 「茶粥の記」
...当(あて)もないのにタッタ一人で旅行させられているような苛立たしさと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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