...苛々(いらいら)した心地(ここち)で人なだれに交つて歩いた事...
石川啄木 「鳥影」
...信吾は苛々(いら/\)して不快な感情に支配されてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...胸が苛々する程血腥(ちなまぐさ)い厭な色に見える...
石川啄木 「病院の窓」
...」と苛々した音調で...
泉鏡花 「婦系図」
...主人公は?」賀茂子爵が苛々(いらいら)した風で...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...僕も述べることがあるから少し時間を与えたまえ」堪りかねたような苛々した声だった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...違うよ」と私は説明しきれないもどかしさに苛々したが...
田中英光 「箱根の山」
...雪子と二人で苛々(いらいら)していると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「余り苛々しちや駄目だよ...
徳田秋聲 「老苦」
...その一方では彼はますます落着きのない苛々した氣分になってゆくばかりだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...気が始終苛々(いらいら)し...
新渡戸稲造 「自警録」
...苛々(いらいら)そこらを歩いて...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...膝小僧を苛々(いらいら)と貧乏ゆすりしながら...
林芙美子 「浮雲」
...この近くをうろうろしてゐるゆき子の苛々(いらいら)した顔つきが心にこたへて来る...
林芙美子 「浮雲」
...いつも苛々(いらいら)していて...
林芙美子 「恋愛の微醺」
...五体は烙(あぶ)られるスルメのやうに思慮のない狂ほしさで苛々した...
牧野信一 「F村での春」
...その時の自分の苛々した心持は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...苛々(いらいら)したような心持になっていた末造も...
森鴎外 「雁」
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