...少しの間も靜かにしてゐられないやうに氣が苛々(いら/\)してゐた...
石川啄木 「不穩」
...すこし苛々(いらいら)した面持(おももち)になって来て...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...主人公は?」賀茂子爵が苛々(いらいら)した風で...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...違うよ」と私は説明しきれないもどかしさに苛々したが...
田中英光 「箱根の山」
...今日ばかりは三人のしゃべるのを聞いていると苛々(いらいら)して来て...
谷崎潤一郎 「細雪」
...庸三は近所を憚(はばか)るように二三度叩(たた)いてみたが返辞がないので少し苛々(いらいら)して来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...師匠を苛々(いらいら)させ...
徳田秋声 「縮図」
...苛々(いら/\)しながら待つて居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...加野の苛々(いらいら)した気配が聞えてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...苛々(いらいら)した眠りの連続だつた...
林芙美子 「浮雲」
...私の砂を口に含んでゐるやうな苛々病はもうそろ/\起りかけてゐた...
牧野信一 「悪筆」
...彼女の手紙が来ない――と決るまでは何か苛々として落着きを逸した憂鬱な青年と化してゐる自分に...
牧野信一 「タンタレスの春」
...」「それで疲れたの?」「そんなこともないんだけれど――家に帰つて来たら何だか急に苛々して来て……」「…………」「あゝ...
牧野信一 「毒気」
...此の少年の邪氣の無い態度は自分をして餘り苛々させなかつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...唇に唇を合せようとしたりする苛々(いらいら)しい二つの影が壁を透したふしぎな室のなかに...
室生犀星 「香爐を盗む」
...ひどく苛々した様子をして...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...あに嫁の苦労のない笑いごえなどを聞くと苛々した...
山本周五郎 「おばな沢」
...やがて苛々(いらいら)しはじめ...
山本周五郎 「半之助祝言」
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