...×筍(たけのこ)、海苔(のり)、蕎麦(そば)、――かう云うものを猫の食ふことは僕には驚嘆する外(ほか)はなかつた...
芥川龍之介 「耳目記」
...藤の花軒ばの苔の老いにけりの芥川の顏は...
小穴隆一 「二つの繪」
...海苔佃煮(のりのつくだに)...
谷譲次 「踊る地平線」
...青苔(あおごけ)の上をころころと走って行ったのには...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その崖の上の苔(こけ)の間に微かなひとすじの坂路があって...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...途中富田で青海苔を買ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...この結句はまた「苔蒸しにけり」といつても落着くのである...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...齒並の奧に白苔の生えた舌が縺れてゐた...
南部修太郎 「疑惑」
...袖付や袵(おくみ)の皺が苔でも置いたようなしっとりした青味(あおみ)の谷をつくって...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...蘇苔類の育つてゐる水車はもう何年も以前から翼の回転を休めたまゝであつたから...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...苔蒸した水車小屋の草葺屋根が水の上を絨のやうに染めてゐる春さきのころを選んでおかう...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...砂まじりの苔ととぼしい草生に変っていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...石塀のきはにあるえい山苔のやうなものが生えてゐたが...
室生犀星 「京洛日記」
...青く苔が訪れていなければならぬが...
室生犀星 「庭をつくる人」
...森の木がどれも青い粉の様な苔(こけ)を附けて居るのを「鶯餠(うぐひすもち)の木だ」と言つて又笑はれた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...灰色がゝつた一樣の苔が...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...苔桃(こけもも)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...茅葺(かやぶき)屋根の廂先(ひさしさき)から咲いている苔草(こけぐさ)の花...
吉川英治 「宮本武蔵」
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