...それに一面苔(こけ)が生えていて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...軒ばの苔の老いにけりで...
小穴隆一 「二つの繪」
...もし今日ただちに苔虫類のごとき理想的の社会を造ろうと思う者があったならば...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...一筋の路が苔の中に見えていた...
田中貢太郎 「申陽洞記」
...五六尺も深いかと思われる柔かな苔に蔽われた大きな窪地に到達した...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...落葉や苔(こけ)の中から頭を出してるではございませんか...
豊島与志雄 「お山の爺さん」
...青苔のはえた岩石で...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...苔のない柔い地面から匐い出している蚯蚓を...
豊島与志雄 「人の国」
...苔蒸した石段の上に門が立つてゐる...
永井荷風 「十年振」
...車窓に蘆(あし)の葉がなびき、底石の青苔や、御遊泳中の魚族(うろくづ)の鱗(うろこ)のいろも手にとるように見える...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...王様はやや広い暗道の苔の褥の上に...
久生十蘭 「魔都」
......
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...額にある苔のような突起をそっとなでた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...それから恒例の海苔(のり)と...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...炊きたての熱い御飯へ刻み葱焼海苔紅生姜(べにしょうが)その外何でも沢山の薬味を載せて今の鮪を汁ともにかけて出します...
村井弦斎 「食道楽」
...ひとりでに子供の迷うている町が判るといわれている苔蒸したこの墓碑は...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...小さい崖になつてゐて丸胴の埋め石へ苔からしぼられた清水が垂れる些(ささ)やかな音だ...
室生犀星 「名園の落水」
...松と苔の公園は至るところに荒廃の跡が著しかつた...
室生犀星 「名園の落水」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??