...森林は春の新たに囘る時他をまた芽出し長ぜしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しばらく中断状態にあった心神の恢復(かいふく)とともに芽出しはじめ...
徳田秋声 「縮図」
...銀子にも嫉妬(しっと)に似た感情の芽出しはありながら...
徳田秋声 「縮図」
...蠶豆の花もいつしか實となりぬ麥秋ちかき夕ぐれの風いくまがり松の木かげの垣根道もどるわが家を人に問ひけり小雨ふる芽出しもみぢの庭をみてわれにもあらず歌よみにけり雨ふれば小米ざくらや雪柳いちごの白き花さへもよしうぐひすも心して鳴けあかつきは短きゆめの名殘をしめば松多きいけ垣つゞき花かをる菅野は實にもうつくしき里傘さゝで人やたづねむ雨の日も松かげ深き小道あゆめば四月廿五日...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...ニイナを抑制するものは彼曰く――そなたが胸をばわが胸の上(へ)に、そぢやないか、俺等(おいら)は行かうぜ、鼻ン腔(あな)アふくらましてヨ、空ははればれ朝のお日様アおめへをうるほす酒でねえかヨ……寒げな森が、血を出してらアな恋しさ余つて、枝から緑の雫を垂れてヨ、若芽出してら、それをみてれアおめへも俺も、肉が顫はア...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...芽出し柳のやうなのも...
長谷川時雨 「水色情緒」
...芽出しの白膠木(ぬるで)の葉繁みがレースのような繊細な影を落しているのが...
久生十蘭 「肌色の月」
...芽出しの若葉に三方から囲まれ...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...しかし支那の説では初生の芽出しが葭でそれがもっと生長した場合が蘆で...
牧野富太郎 「植物記」
...今の世は文士保護論の僅(わず)かに芽出したる時にして文士保護の実の行はるる時にあらず...
正岡子規 「墨汁一滴」
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