...それをめぐつて草萌える・よい湯からよい月へ出た・はや芽ぶく樹で啼いてゐる・笠へぽつとり椿だつたはなれて水音の薊いちりん・石をまつり緋桃白桃・みんな芽ぶいた空へあゆむ四月五日花曇り...
種田山頭火 「行乞記」
...・たれかこいこい螢がとびますさら/\青葉の明けてゆく風・風は夜明けのランプまたたく・こゝろすなほに御飯がふいた埃まみれで芽ぶく色ともなつてゐる(改作)六月十六日昨夜の酒がこたえて胃が悪い...
種田山頭火 「行乞記」
...・昼月へちぎれ雲裏口からげんげたんぽぽすみれ草・芽ぶく梢のうごいてゐる・みんなかへつてしまつて春の展望・このさみしさは蘭の花・水をくむ影する水を酔ひたい酒で...
種田山頭火 「其中日記」
...・枯枝ひらふにもう芽ぶく木の夕あかり・春の夜の街の湯の湧くところまで・つゝましく大根煮る火のよう燃える曇り日のひたきしきりに啼いて暮れる三月十二日ぬくい雨...
種田山頭火 「其中日記」
...・大石小石ごろ/\として春夜露もしつとり春であります・春夜は汽車の遠ざかる音も・もう郵便がくるころの陽が芽ぶく木々・風がほどよく春めいた藪から藪へ・春風のローラーがいつたりきたり・伐り残されて芽ぶく木でたゝへた水へ三月二日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...・あてなくあるくてふてふあとになりさきになり・芽ぶくものそのなかによこたけ(マヽ)る・山のひなたの...
種田山頭火 「其中日記」
...逢ひにゆく・うらゝかな硯を洗ふ・芽ぶく曇りの...
種田山頭火 「其中日記」
...湯田競馬・くもりおもたく勝つたり敗けたりして麦田ひろ/″\といなゝくは勝馬か遊園地・さくらちるあくびする親猿子猿檻の猿なればいつも食べてゐる・猿を見てゐる誰ものどかな表情山口運動場・椎の若葉もおもひでのボールをとばす建築工事雲雀がさえづる地つきうたものびやかに声を力をあはせては大地をつく・芽ぶくなかのみのむしぶらり・ふたりのなかの苺が咲いた・山の湯へ...
種田山頭火 「其中日記」
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種田山頭火 「旅日記」
...・芽ぶくより若葉する湯けむりをちこち・山路あるけば山の鴉がきてはなく四月二十一日 谷津温泉...
種田山頭火 「旅日記」
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種田山頭火 「旅日記」
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種田山頭火 「旅日記」
...…………そして夜中にはどこかに火事があつた!・こどもなかよくあたゝかく芽ぶく・大(マヽ)鼓たたいてさくらちるばかり(高遠)みすゞかる信濃の国の御幣餅です・ぬけさうな歯がぬけてほつと信濃の月(信濃が木曽になる!)・春の夜ふけるとぬけるまへの歯のなやみ・あの水この水の天龍となる水音(伊那)ひるからは風が出て西駒東駒の残雪(望嶽居)・月あかりして山が山がどつしり( 〃 )五月五日晴...
種田山頭火 「旅日記」
...明治大帝御野立所お姿たふとくも大杉そそり立つ木曽はいま芽ぶくさかりのしぐれして母子(オヤコ)それ/″\薪を負うて山から戻る・たまたま詣でゝ木曽は花まつり五月七日曇――雨――曇...
種田山頭火 「旅日記」
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種田山頭火 「道中記」
...馬酔木居いつぽんかたすみのみつまたのはな川風さむみおちつかないてふてふ水車はまはる泣くやうな声だして日田水じゆうわうに柳は芽ぶく山ざくら人がのぼつて折つてゐる藪の椿の赤くもあるかみちがわかれるさくらさく猿田彦花ぐもりいういうとして一機また一機三月廿五日 曇――晴...
種田山頭火 「道中記」
...もう桜が散り柿が芽ぶく...
種田山頭火 「道中記」
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