...千住（せんじゅ）の万字楼（まんじろう）という家へ登（あが）って花香（はなか）という女を買って遊びました... 
海野十三 「白蛇の死」
...かようになりはてゝ何を花香（かこう）と世にながらえましょう...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...久雨のため菊花香しからず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...蝶影（てふえい）片々たる閑庭異様なる花香（くわかう）の脉々として漂へるを知るべし...
永井荷風 「来青花」
...そうするとどこからともなくこの花香に誘ない寄せられて果たして昆虫が飛んで来るが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...花香（かこう）がわが鼻を撲（う）つ...
牧野富太郎 「植物知識」
...西洋人と中国人とはこれに反して非常に花香（かこう）を尊重（そんちょう）する...
牧野富太郎 「植物知識」
...その花香（かこう）もまた虫を誘（さそ）う一つの手引（てび）きを務（つと）めている...
牧野富太郎 「植物知識」
...残菊の花香を匂わせたことだったろう...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...下らなく悪騒々しい連中は速やかにうちの師匠のような本格の青さを加えて紫の花香もめでたく...
正岡容 「小説 圓朝」
...恍（こう）として一人みずから佇（たたず）む時に花香風に和し月光水に浮ぶ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...但花香...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...菊花香浅点疎籬...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...五律の前半に、「入春纔九日、白雪再霏々、未使花香放、奈何鶯語稀」と云つてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...尚帯花香傍架頭...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...梅花香発遍林園...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「これで梅花香を買って来て...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...その蓋には「梅花香」と書いてあったが...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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