...彼女の前にあった新聞は花盛りの上野(うえの)の写真を入れていた...
芥川龍之介 「たね子の憂鬱」
...アルハーゼンの時代に満開の花盛りを示したかの回教文化がなにゆえに今日もはや新しい芽を出し得ないかという理由を明白に認めさせるものである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...いつも花盛りのような...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...そこの月見草が花盛りで鳥が鳴いて居たの...
竹久夢二 「少年・春」
...それには何か暗黒の恐怖以上のもの――陽光の恐怖がまつわりついていた……というのは気まぐれな太陽がその木と人を舞台の小道具のようにはなやかな色で描き出していたからであつた……木は花盛りだつたし...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...そこらの花盛りを見て心が浮き立ったり...
寺田寅彦 「柿の種」
...荒れ地ではハリエニシダが一面花盛りで...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...この道庵も花盛りの時...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしエルムにも立派に花盛りがあるのである...
中谷宇吉郎 「楡の花」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...菊の花盛りとなれば人の香の懐しきこと限り知られず菊の花の真盛りと人懐しさの極限に達することとの間に如何いふ関係があるのであらうか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...げんげの花盛りの田の中に...
牧野信一 「歌へる日まで」
...その山のお寺には白と紅の芍薬(しゃくやく)が花盛りで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...陽春の花盛りになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしが若くて最も奔放であった頃、(b)わが齢(よわい)、花盛りにして、春をたのしめる頃(カトゥルス)(a)女たちに取りまかれて遊びに耽っているわたしを見て、或る男は、「独りひそかに嫉妬にでも悩んでいるのではないか、あるいは何か希望の遂げ難いのをはかなんでいるのではないか」などと想像したが、その時わたしは、その数日前に、やはり同じような宴会のかえるさに、わたしと同じように夢心地と恋ごころと楽しい時のこととで頭を一杯にしているところを、突然高熱と死とにおそわれた或る男のことを思い浮べ、自分にもまた同じ運命がさし迫っているかのように、考えていたのであった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...其中には細川典厩(てんきう)源公の庭の花盛りに開く...
柳田國男 「信濃桜の話」
...残りも畠となって一面の南瓜(かぼちゃ)の花盛りである...
柳田国男 「雪国の春」
...森の中はマロニエの花盛りだ...
横光利一 「欧洲紀行」
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