...唯、こゝで言ふのは、言ふのさへ、餘り町じみるが、あの背負揚とか言ふものゝ、灯の加減で映るのだらうか、ちら/\と……いや、霧が凝つたから、花片、緋の葉、然うは散らない、すツすツと細く、毛引の雁金を紅で描いたやうに提灯に映るのが、透通るばかり美しい...
泉鏡花 「遺稿」
...時々花片(はなびら)が浮ぶのであった...
泉鏡花 「婦系図」
...白き牡丹の花片に心の影のたたずまえる...
泉鏡花 「婦系図」
...原(もと)の花片(はなびら)に香が戻って...
泉鏡花 「婦系図」
...花片(はなびら)の紅白は...
泉鏡花 「海神別荘」
...其(そ)の雪(ゆき)香(かぐは)しく立處(たちどころ)に花片(はなびら)となんぬとかや...
泉鏡花 「花間文字」
...黄色い花片(はなびら)が眼の前で揺れて二重にも三重にもなる...
梅崎春生 「日の果て」
...花片むなしく散りて...
大町桂月 「春の郊外」
...薫ほるさゆりの花片におくあけぼのゝ白露か緑色こき大空に照るくれなゐの夕づゝか...
土井晩翠 「天地有情」
...そして咲きかけの花片のように軟かくてしかも鋭い輪郭をもっている...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...一度などは白い花片(はなびら)をとくに指して...
夏目漱石 「行人」
...その日は自棄(やけ)に良いお天気で、春の青空が深々と光って、竹矢来の中にも、数千の群衆の頭の上にも、桜の花片が、チラホラと散って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その日は自棄(やけ)に良いお天氣で、春の青空が深々と光つて、竹矢來の中にも、數千の群衆の頭の上にも、櫻の花片が、チラホラと散つて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...花片の散りたてのやうな清新さが耳になくてはならない...
長谷川時雨 「夏の女」
...そこまでもとゞかず花片は吹雪となつて水の上に散つてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...道々にこの花片(はなびら)を撒きたまへ...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...「道々にこの花片を撒きたまへ...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...巨大なる花片流れ出るなどと...
柳田國男 「地名の研究」
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