...『水汲むギリシヤ少女』と云ふ名画の写真や一重芍薬(ひとへしやくやく)の艶なるを掴(つか)み(ざ)しにしたる水瓶など筆立や墨汁壺(インキつぼ)に隣りて無雑作に列べらる...
石川啄木 「閑天地」
...支那焼の(とん)の上に据(す)えられた芍薬(しゃくやく)の鉢(はち)の周りを二三度旋回して...
谷崎潤一郎 「細雪」
...氏はそれに芍薬の画と俳句二つを認めた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...芍薬(しゃくやく)の原産地は...
牧野富太郎 「植物知識」
...彼は又、日本趣味を多分に持っていて、色の殆どない様な朝顔、昼顔、芍薬、実につまらない断腸花、合歓、日々艸なぞを大層崇め奉って、その花や葉っぱを甞めて渋い顔をしたりする...
松永延造 「職工と微笑」
...芍薬(しゃくやく)ですか? 今朝夜着をもって行ってね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...芍薬(しゃくやく)...
夢野久作 「鼻の表現」
...つゝじ、芍藥、あやめ、牡丹、ばら、百合、藤の花などの花畑や花壇に沿ふ道を縫つて、學校へ通ふのであつたが、朝々、めまひするほどな醉ひにくるまれたことを忘れえない...
吉川英治 「折々の記」
...芍薬(しゃくやく)の花をみやげに乗せて通り過ぎる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...萎(しぼ)んだ芍薬(しゃくやく)を駕の屋根へのせて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...芍薬(しゃくやく)の一枝を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...清純一枝の芍薬こそ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……」芍薬を持ち...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その手へ、芍薬をのせて、「左様なら」彼女は、軒先から駒の背に乗って、ひらりと、被衣(かずぎ)にすがたを包んだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――白い芍薬」「ちょうどよい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...芍薬(しゃくやく)を抛(ほう)り捨て...
吉川英治 「宮本武蔵」
...旅宿の小女に与えて来たというと、その処置にもうなずいて、「だが、吉岡のせがれ伝七郎とかいう者、あの芍薬を、手には取って見たろうな」「はい、お文を解く時」「そして」「そのまま突き戻しました」「枝の切り口は見なかったか」「べつに……」「何も、そこに眼をとめて、いわなかったか」「申しませんでした」石舟斎は、壁へいうように、「やはり会わんでよかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...(……石舟斎が切った芍薬の枝の切り口と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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