...柔術の妙を極めし主人公は僅に泉鏡花(いづみきやうくわ)氏が「芍薬(しやくやく)の歌」の桐太郎(きりたらう)のみ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...僧都 綾、錦、牡丹、芍薬、縺(もつ)れも散りもいたしませぬを、老人の申条(もうしじょう)、はや、また海松(みる)のように乱れました...
泉鏡花 「海神別荘」
...昨秋切花用として芍薬(しやくやく)二千株程植付け候...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...脱衣場の花瓶にされた芍薬の紅白二枝の方がどんなにより強く私を動かしたらう!(私はまだ雑草のよさを味ふと同様に...
種田山頭火 「其中日記」
...芍薬(しゃくやく)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...園丁五郎を呼び蝋梅芍薬瑞香など庭中の草木に寒中の肥料を施さしむ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...さし込む日の光に芍薬(しゃくやく)の花の紅白入り乱れて咲き揃(そろ)ったのが一際(ひときわ)引立って見えながら...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...この芍薬畠(ばたけ)の傍(そば)にある古びた縁台のようなものの上に先生は大の字なりに寝た...
夏目漱石 「こころ」
...林述斎曰く、桜の前の彼岸桜、牡丹の後の芍薬、カキツバタの後の花菖蒲、撫子の前の石竹、菊の後の寒菊、何れも品格は劣れども、又すて難くやとは、憲政会連が若槻首相を評する様に聞える...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...「やまと」新聞に連載されてゐる泉鏡花先生の「芍藥の歌」に感服した後で...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...巴里より葉書の上に巴里(パリイ)に著(つ)いた三日目に大きい真赤(まつか)な芍薬(しやくやく)を帽の飾りに附(つ)けました...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...そして大きな画架、青い天鷺絨張りのモデル台、卓(たく)、置暖炉(おきストオブ)、花瓶(はながめ)、肱掛椅子(フオオトイユ)、いろ/\の椅子、紙片、画布(トワル)、其等の物が雑然と人り乱れ、麝香撫子と、絵具と、酒と、テレピン油(ゆ)とが匂ひの楽(がく)を奏(ジユエ)する中(なか)に、壁から、隅々(すみ/″\)から、友の描(か)いた衣(きぬ)を脱がうとする女、川に浴する女仰臥の女、匍ふ女、赤い髪の女、太い腕(かひな)の女、手紙を書く女、編物をする女、そして画架に書きさした赤い肌衣(コルサアジユ)の女、其等の裸体、半裸体の女等と、マントンの海岸、ブルタアニユの「愛の森、」ゲルンゼエ島の牧場、村道、岩の群(むれ)、グレエの森、石橋、其等の風景と、赤い菊、赤い芍薬、アネモネの花、薔薇、林檎と蜜柑、梨、其等の静物とが見とれる如く、あまえる如く、誘(さそ)る如く、熱い吐息(といき)を彼れに投げ掛ける如く、彼れの一挙一動に目を放さぬ如く、我が美くしいナルシスの画家を取巻いて居る...
與謝野寛 「梅原良三郎氏のモンマルトルの画室」
...芍藥の新芽が土を割つて眞つ赤なキバを地表にあらはしたり...
吉川英治 「折々の記」
...つゝじ、芍藥、あやめ、牡丹、ばら、百合、藤の花などの花畑や花壇に沿ふ道を縫つて、學校へ通ふのであつたが、朝々、めまひするほどな醉ひにくるまれたことを忘れえない...
吉川英治 「折々の記」
...その使者の携えている白芍薬の枝を見て...
吉川英治 「宮本武蔵」
...よい花だな」「好き」「好きだ」「芍薬ですって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...芍薬(しゃくやく)を抛(ほう)り捨て...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「芍薬(しゃくやく)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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