...何時もの幼さとは打つて變つた艷(なまめか)しささへも添へてをります...
芥川龍之介 「地獄變」
...荷風君のかうした艷聞をどんなに羨ましく思つたことか...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...素足に絡(から)む赤の裳の艷立つ姿は見る由もない...
石川啄木 「漂泊」
...お艷(つや)は死(しに)ものぐるひな...
泉鏡太郎 「一席話」
...青白い艷々とした皮膚を持つてゐた...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...次に岩鏡の紅色の房が艷艷した葉を覆ふやうにして咲きます...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...それは顏形は勿論皮膚の色艷から毛穴の數までも生寫しといふほどによく似た人形であつた...
相馬御風 「獨愁」
...世にありし時は花の如き艷(あで)やかなる乙女(をとめ)なりしが...
高山樗牛 「瀧口入道」
...益艷をましてゐるやうに思へた...
林芙美子 「或る女」
...非常に豐艷で快活だつたのであるが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...艷も光もなかつた...
正宗白鳥 「假面」
...姉とちがつて頬ぺたの膨らんだ色艷のいゝ妹は...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...何処から何処まで力の張り切った様な滑かな皮膚と艷やかな髪を持ったお久美さんは...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...すっかり肩や胸に厚みが出て丈夫そうに艷々(つやつや)した五分苅ボーイです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...新鮮な桃色の絵の具で艷々描かれたように見えて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その仄かな眺めは大変に大変に優艷でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...手入れがゆきとどいているような艷が谿谷を見おろすテラスにも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その聲はわかやいだ艷めいた手で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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