...艶めかしいハンドバグが貼りついたように捨て置かれてあることだった...
海野十三 「地獄の使者」
...この艶めかしい死体こそ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...墨色の濃い正しい文字は自分の名を表に見せて下に『樣御許』とあるのが何となく艶めかしい...
高濱虚子 「俳諧師」
...」女の艶めかしい笑顔があつた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...妙に艶めかしい聲...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...艶めかしい歌が漏(も)れて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...艶めかしい縮緬(ちりめん)の扱帶を卷いて居たのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙に艶めかしい感じのする男です...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...ひとりでに艶めかしい幻想に誘はれて行くかのやうな快いまどろみに似たものでもあつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...」その晩塚越は、遅くまで私の部屋に居て、私の決して知らぬ――甘く、艶めかしい、花やかな世界の話を告げた...
牧野信一 「塚越の話」
...「お前の机に艶めかしい西洋の手鏡がのつてゐるのを私は見た...
牧野信一 「籔のほとり」
...その中に銀杏返(いちょうがえ)しの艶めかしい女客が乗り込んで来たが...
武者金吉 「地震なまず」
...中から女持の紙入のやうな艶めかしい沓が覗いてゐて...
室生犀星 「京洛日記」
...それは何(ど)の家家からも二階からも起るらしい艶めかしい笑い声と交(まじ)って...
室生犀星 「幻影の都市」
...次から次へと限りなく艶めかしい...
室生犀星 「星より來れる者」
...きれいな絵があったり艶めかしい会話が目につくと...
柳田國男 「書物を愛する道」
...何となく色つぽく艶めかしいと言うのである...
吉井勇 「雑魚寝」
...艶めかしい紅蓮の群落から出て行ってこの白蓮の群落へ入って行ったためにそう感じたのであるとは私は考えない...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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